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カテゴリー: ASEAN・中国・インド, 会計・法務
連載: ASIAビジネス法務 最新アップデート - ONE ASIA LAWYERS
公開日 2026.08.11
今年3月、ミャンマーでは、携帯電話等の端末を国際移動体装置識別番号(International Mobile Equipment Identity:IMEI)により管理する中央機器識別登録制度(Central Equipment Identity Register:CEIR)の運用が開始されました。
さらに、7月14日、CEIR・EIRシステムプロジェクト運営委員会(CEIR and EIR System Project Steering Committee)は、ヤンゴン、ネピドーおよびマンダレーの各国際空港からミャンマーに入国する旅客が、CEIRに未登録の携帯電話を持ち込む場合の申告・登録手続きを公表しました(以下、「7月通知」という)。
本稿では、CEIR制度の概要、入国時に必要となる手続き並びに駐在員、出張者および企業の実務上の留意点を整理します。
目次
CEIRは、携帯電話等の端末固有のIMEIを登録し、ミャンマー国内の通信ネットワークへの接続可否を管理する制度です。当局の公表資料では、技術基準に適合し、必要な税金が納付された端末を利用できるようにすることが制度導入の目的として説明されています。
制度導入時にミャンマー国内で使用されていた携帯電話については、今年3月31日までに国内通信事業者のSIMカードを挿入して使用することにより、原則として追加の納税なくCEIRの許可リストに登録される取扱いが示されました(以下、「3月通知」という)。 他方、同年4月1日以降に初めて国内通信ネットワークへ接続する未登録端末については、原則として30日間の一時利用期間が与えられ、その期間内に必要な税金および罰金を納付することが求められています。
携帯電話端末について納税が必要であるか否かは、関係当局が運営するCEIRポータルサイト(https://www.ceir.gov.mm)※において確認することができます。CEIRポータルサイト上で「Tax Payment Status」欄に「Unpaid」と表示される場合、CEIR上は税金が未納の状態として取り扱われているため、納税または免税申請の要否を確認する必要があります。
※ミャンマー国外からはアクセスできない場合があります。
7月通知によれば、ヤンゴン、ネピドーまたはマンダレーの各国際空港から入国する旅客がCEIRに未登録の携帯電話を携行している場合、到着時に空港の税関検査カウンターで旅客申告書(Passenger Declaration Form:PD Form)を提出し、対象端末のIMEIを申告する必要があります。
また、各旅客が登録できる携帯電話は、最初にPD Formを提出した日から1年間に、現在使用中の端末を含めて合計2台までとされています。PD Formの提出後は、CEIRのワンストップサービス(One-Stop Service:OSS)チームに登録申請を行うこととされており、公表資料上、主に次の対応および書類が求められています。
なお、必要書類については、公表資料により航空券の提出要否や搭乗券の原本・写しの取扱いに若干の相違がみられます。そのため、実務上は、旅券、搭乗券、航空券またはeチケットおよびPD Formについて、原本と写しまたは電子データを可能な限り保管し、到着空港またはCEIRの案内を確認することが推奨されます。
登録時には、当局が算定する端末の評価額を基礎として、関税5%、商業税5%および前払所得税2%に加え、該当する場合には没収に代わる罰金(redemption fine)その他の罰金が課されるとされています。ただし、各税目の課税標準、計算方法および罰金の有無によって実際の負担額は異なるため、必ずしも端末購入価格の単純な12%相当額となるものではないと解されます。
駐在員や出張者は、渡航前に端末の設定画面または電話番号に「*#06#」を入力して発信等によりIMEIを確認し、CEIR公式ウェブサイトで登録状況を確認することが望まれます。特に、海外で新たに購入した端末、機種変更後の端末、会社支給端末、予備端末を持ち込む場合には、未登録端末に該当する可能性があります。会社においても、貸与端末のIMEI、購入日、利用者およびCEIR登録状況を一覧で管理することが有用と考えられます。
7月通知には、短期滞在、国際ローミングまたはeSIMの利用を理由として、CEIRの申告・登録手続きを一律に免除する旨の規定は明記されていません。また、3月通知では、CEIRの一般的な対象機器として、携帯電話のほか、iPad、タブレットおよびノートパソコン等のモバイル通信対応機器にも言及されています。他方で、7月通知は主として携帯電話を対象として説明されています。セルラー対応タブレット等を携行する場合を含め、対象範囲および具体的な受付運用については、到着時の税関およびCEIRの案内を確認する必要があります。
在ミャンマー日本国大使館が発出した領事メールによれば、外国人が持ち込む携帯電話端末に対する免税措置については、現在、関係当局において明確なガイドラインが策定されている段階にあるとのことです。また、今年4月1日以降に日本その他の国外から携帯電話端末を持ち込んだ新規赴任者や長期出張者等については、正式な免税措置の適用基準が確定するまでの暫定的な措置として、当局に対する免税申請の方法が案内されています。ただし、免税の適用可否は、当局による個別の審査および今後策定されるガイドラインに従って判断されるものと考えられます。
駐在員の再入国、会社支給端末の持込みおよび海外での機種変更は、申告漏れが生じやすい場面です。運用開始直後であり、対象端末、評価額、必要書類および罰金等が変更または明確化される可能性があるため、渡航前および入国時に最新情報を確認する必要があります。

One Asia Lawyers パートナー弁護士 (日本法)
ミャンマー拠点代表
佐野 和樹 氏
2013年よりタイで、主に進出支援・登記申請代行・リーガルサポート等を行うM&A Advisory Co., Ltd.で3年間勤務。2016年よりOne Asia Lawyers設立時に参画し、ミャンマー事務所・マレーシア事務所にて執務を行う。2019年にミャンマー人と結婚。現在はミャンマーに居住し、アジア法務全般のアドバイスを提供している。
One Asia Lawyers
One Asia Lawyers Groupは、東南アジア・インドの法律に関するアドバイスを、アジア各国のネットワークを基礎として、シームレスに、ワン・ストップで提供するために設立された法律事務所です。
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