Bグリム・パワー、日本企業のパートナー募集 ~再生可能エネルギーや水素技術など~

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    Bグリム・パワー、日本企業のパートナー募集 ~再生可能エネルギーや水素技術など~

    公開日 2022.09.13

    TJRI(タイ日投資リサーチ)では8月24日に、タイ企業のニーズを日本企業向けに発信するオンライン説明会『Open Innovation Talk』の第11回として、ドイツ系企業をルーツとする電力大手B.Grimm Power(Bグリム・パワー)のNopadej Karnasuta(ノパデート・カンナスト)上級執行副社長(投資・イノベーション・サステナビリティー担当)を招いて同社の事業概要、タイを含む東南アジア諸国連合(ASEAN)域内などで日本企業と協業できる事業分野などについて語ってもらった。

    LNGとクリーン燃料供給で大手に

    Q. 電力事業参入の経緯と現在の発電能力は

    「自然と調和した文明の発展に向けた思いやりのあるビジネスを行う」との哲学に基づき1878年に創業(Siam Dispensary)。その後、インフラストラクチャー(1890年代では東南アジア最大のランシット灌漑運河など)、工業、ヘルスケア事業を展開し、1996年に初めて小規模の発電所の事業を開始した。

    Bグリムの電源構成は、2022年第2四半期時点で操業中の発電所の合計能力3379メガワット(MW)のうち、ガスが75.2%と大半を占め、太陽光22.6%、水力 1.0%、風力0.5% と続く。一方、既存の電力販売契約(PPA)済みの発電能力は2021年が3254MWで、2026~2030年には4015MWまで23%増加する見込みだ。さらに、PPAの新規契約を拡大し、PPA発電能力を2020年の3682MWから2025年に7200MW、2030年に1万MWまで増強する目標を設定している。

    『Bグリムの2030年までのPPA計画』出所:B.Grimm Power

    Q. エネルギー事業の戦略は

    Bグリムは、あらゆる状況の中で経済を発展させるために、すべての主要セクターに信頼できる電力とエネルギーを供給するよう取り組んでいる。既存インフラでタイや他の国に合計3058MWの電力供給ができる。われわれはまだ満たされていないニーズがあると認識しており、電力インフラと社会のさらなる改善に貢献できる。信頼できるクリーンエネルギーによる発電で、「持続可能なユーティリティー・ソリューション・プロバイダー」になるのが目標だ。

    『Bグリムの電力とエネルギー供給目標』出所:B.Grimm Power

    さらに、液化天然ガス(LNG)とクリーン燃料供給で大手プレーヤーになることを目指している。その背景が、ガス需要の増加と国内のガス供給の減少に伴い、東南アジアがLNGの世界最大の市場の1つになっていることだ。われわれはLNGを戦略商品、収入源に転換することを目指しており、LNGはわれわれにとって最も重要なコストアイテムだ。

    『アジア太平洋地域の2022年から2040年までのLNG需要見込み』出所:B. Grimm Power

    また、工業用の電力需要が増大しているため、われわれはバンコク、サムットサコン、サムットプラカン、プラチンブリ、チャチュンサオ、サケオ、チョンブリ、ラヨーンなどの主要工業団地の顧客に、信頼できる電力とエネルギーのソリューションを提供することに焦点を合わせている。

    Q. サステナビリティーの取り組みは

    ESG に取り組んでいる。持続可能性のハイライトとしては、2050 年までにネットゼロ・カーボンエミッションを約束し、生物多様性に対するネット・ポジティブ・インパクト (NPI=生物多様性の代償措置による効果が生物多様性の損失を上回ること) にコミットしている。2021 年に人権ポリシーおよび差別禁止、ハラスメント対策を発表した。また、事業所と「Tier1」サプライヤーの100% を対象とした人権リスク評価と削減を実施。経済とガバナンスでは、取締役の50%が女性で、汚職やコンプライアンス違反はゼロだ。

    再生可能エネ、水素、蓄電技術など求める

    Q. パートナーとなる日本企業を探している事業分野は

    次の5つの分野でパートナーを求めている。

    【ニーズ1】再生可能エネルギーのパートナー
    ・新しい再生可能エネルギー技術=太陽光発電、風力発電の技術
    ・再生可能エネルギー装置=太陽光パネル、インバーター、取り付け装置、風力タービン、ジェネレーター
    ・再生可能エネルギーのコンサルティング=技術・商業化サービス、市場調査・分析サービス

    <利用可能なアセット>
    ベトナムとタイに幾つかの大規模な太陽光発電所を保有しており、タイでは16MWの風力タービン・プロジェクトを最近スタートさせた

    【ニーズ2】水素技術のパートナー
    ・電気分解技術
    ・水素の輸送、貯蔵、ロジスティクス
    ・市場知識・情報
    ・ガスタービン向けの混合燃料としての水素利用
    ・燃料電池技術
    ・最終製品および水素キャリアとしてのアンモニア

    <利用可能なアセット>
    ガスタービンは独シーメンスの「SGT800S」、GEの「Frame6Bs」「LM6000s」ですべてコンバインドサイクル型
    ※BGPは、ガスタービンの代替燃料源および潜在的な事業セグメントとしてのエネルギーキャリアとしてのとしての水素の利用を検討している。

    【ニーズ3】蓄電技術のパートナー
    スマートグリッドに対応するバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の開発。インバーター、BMS、電気相互接続と保護システムなどの補助装置を含む

    <利用可能なアセット>
    開発中のスマートグリッドシステム

    【ニーズ4】EV充電技術のパートナー
    ・EV充電技術機器、制御および保護システム
    ・EV充電ユニット、ソフトウエア、システム管理のアプリケーション
    ・市場調査とノウハウ

    <利用可能なアセット>
    相互接続されたガス火力発電所のネットワーク、太陽光発電システム、潜在的なエネルギー貯蔵

    【ニーズ5】熱エネルギー貯蔵システムのパートナー
    ・冷却水貯蔵
    ・氷蓄熱システム
    ・熱エネルギー貯蔵
    ・熱貯蔵システムの技術的、経済的実現可能性調査

    <利用可能なアセット>
    相互接続されたガス火力発電所のネットワーク、太陽光発電システム、潜在的なエネルギー貯蔵

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    TJRI編集部

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