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公開日 2026.04.30 Sponsored
近年、ビジネスにおけるあらゆる領域で「デザイン」の重要性が高まっている。単なる意匠や表現を超え、企業の競争力そのものを左右する“経営資源”として位置付けられ始めているのだ。
こうした潮流の中、日本を代表するビジネスメディア「日経BP」とデザインカンパニー「フォーデジット」が手を組み、デザイン・イノベーションイベント「SYNC Design & Innovation in SITE 2026(以下、SYNC )」を6月26日に開催する。その舞台に選ばれたのは、製造業とクリエイティブ産業が高度に融合する都市として独自の存在感を放つタイ・バンコクだ。
なぜ今、アジアで、そしてタイなのか。デザインはビジネスに何をもたらすのか。今回は、イベント主催者である日経BPのトレンドメディアユニット長 勝俣哲生氏、企画制作・共催を担うフォーデジットの田口亮CEO、そして現地視点を持つmediatorのガンタトーン・ワンナワスCEOの3者が、それぞれの立場からSYNCの狙いと「デザイン×ビジネス」の可能性を語り合った。
目次
企業の競争力を左右する「デザイン」を、実践知として体感できる場がバンコクで立ち上がる。
SYNCは、日タイのデザイン専門家や起業家、クリエイターらを招いた「カンファレンス」をはじめ、企業がクリエイティブ関連サービスを紹介する「ビジネスブース」、日タイの若手アーティストによる「音楽ライブ」など、多彩なコンテンツを展開する。「デザイン×ビジネス」を起点に、来場者へ実践的な知見とインスピレーションを提供するイベントだ。
イベント名「SYNC(シンク:同期、融合)」には、「フェスのように、何かを生み出そうとするエネルギーや感情が自然と湧き上がる場にしたい」という想いが込められている。
ビジネスとデザインがさまざまな方向から交わり、そこから新たな価値やイノベーションが生まれていく―SYNCでは、こうしたポジティブな連鎖を、ビジネスパーソンにとどまらず、若手クリエイターや学生も巻き込みながら創出することを目指している。
近年、ビジネス潮流の目まぐるしい変化に伴い、データや経験則のみに依拠したビジネス展開は難しくなっている。こうした中、15年ほど前から強く提唱されてきたのが「デザインの力」だ。感覚や感情といった目に見えない価値を捉え、それを顧客体験へと落とし込む「デザイン思考」を経営の中心に据える動きが加速している。
一方で、いまだにデザインは狭義で捉えられることも多く、その力を十分に発揮できる環境が整っているとは言い難い。
こうした課題はタイでも見受けられる。デザインの力で構想から実行までを並走するコンサルティングサービスを提供するデザイン会社フォーデジットの田口CEOは、「5~6年前にタイでの事業展開を開始したが、当時は現地でも、デザインが単に『表面をきれいに整えるもの』という狭い意味で捉えられている印象を受けた」と明かす。
田口CEOはデザインによる価値創造を、三つの視点で捉えている。ひとつは、社会課題から店舗のチラシまで対象が多岐に渡る中で、どれだけ広いテーマのデザインに向き合うかという『テーマ性の広さ』。もうひとつは、戦略から実行までどの段階から深く関与できるかという『上流から下流への視点』。そして三つ目が『深さと経験』だ。
「タイには特定領域で深い経験を持つ人材はいるが、自らテーマ性を広げられる人材や、上流から構想できる人材はまだまだ少ないと感じる」と、同CEOは語る。
こうした状況を変えるには、人材と産業の双方に対するアプローチが不可欠だと考え、フォーデジットは2024年からモンクット王工科大学トンブリー校(KMUTT)を皮切りに、チュラーロンコーン大学やアサンプション大学など、タイの7大学でデザイン教育プログラムを提供。これまでに約200人が受講した。

人材や教育機関へのアプローチが一定程度進んだところで「次は産業側にも、より広義のデザインの考え方を広めたい」と考え、田口CEOが日経BPと計画したのがSYNCだった。
日経BPは、経営者向けの「日経ビジネス」やマーケティング専門媒体「日経クロストレンド」、デザイン専門誌「日経デザイン」など、40以上の専門メディアを展開している。これまで「デザイン×経営」や「デザイン×マーケティング」など、デザインを軸に据えながら、多様な専門領域との掛け合わせによる情報発信や国内外でのイベント開催を行ってきた。
日経BPの勝俣氏は、「複数の媒体を運営する中で、デザインを起点に新たなビジネスやコミュニケーションが生まれる機運が高まっていると感じていた」と語る。その上で、「田口氏の考えに強く共感したとともに、我々としても、日本のコンテンツ産業を海外展開する上で、デザイン・イノベーションのハブであるタイで実施する意義は大きいと考えた」と、主催者としての想いを語った。

イベントを通じて伝えたい「デザイン×ビジネスの同期」とは、具体的に何を指すのか。企業はデザインの力を、どのように事業へとつなげていくべきなのだろうか。
田口CEOによれば、金融のような無形サービスの領域では、使い勝手や「自分に合っているか」という感覚が重要視されるため、検討から利用後に至るまでの一連の「体験(UX/CX)」をどう描くかが、ビジネスの成否を分ける。この設計には、単に「見た目を整える」だけではない、本質的な「デザイン力」が必要だ。
さらに同CEOは、「AIが簡単に形作れる時代だからこそ、その手前で『顧客が本当に求めていることは何か』を深く掘り下げて考える、人間ならではの『デザインマインド』が一層重要になる」と訴求する。
例えば、フォーデジットがマレーシアで手がけたヘルスケアプロジェクトで面白い事例がある。リサーチで浮き彫りになったのは、家から駐車場まで歩く程度で「自分は十分運動している」と自認する人々の、自己認識と実態の決定的な「ズレ」だった。この文脈では、「健康」という正論をぶつけても現状の否定と捉えられ、行動変容につながらないことは明白だった。
そこで、「健康」を勧めるのではなく、家族や友人と楽しむ「ゲーム」という文脈に翻訳。結果として、楽しさを動機とした無意識な運動量の増加につながった。これこそが、同CEOが言う、生活者の参加動機そのものを設計し直す「デザインマインド」の成果だ。
数多くの日本企業を見てきた勝俣氏も、「デジタルマーケティングの進展によってデータが整備され、分業化が進んだ結果、全体戦略や顧客像がかえって見えにくくなるというジレンマが生じている」と指摘。
その上で、「顧客理解から戦略立案、サービス・製品への落とし込みに至るトータルでの価値設計(=デザイン)が求められている(図表1)。『もう一度、顧客理解からやり直そう』という“古くて新しい”マインドを、このイベントを通じて伝えたい」と語る。

実は、デザイン思考の概念は、一部のタイ人経営者にとってはすでに「周知のもの」となっている。
mediatorのガンタトーンCEOは「デザイン思考を用いてリブランディングに大成功したタイ企業も存在する」とした上で、「一般的にそれが現場にまで十分に落とし込まれていない要因の一つには、タイ人の『問いの甘さ』がある」と指摘する。
日本のような自然災害が多い国では、「なぜ」という問いを持つ習慣が根付いている。一方でタイは気候に恵まれているため、出発点となる問いが相対的に浅い傾向があるという。デザインにおいて重要な「思考を深める」プロセスに対し、苦手意識を持つタイ人も少なくないようだ。
ガンタトーンCEOは「日本企業が長年培ってきた『三方よし』のような長期的視点は、まさにデザイン思考そのものだ。タイのビジネスパーソンにも、こうした成功事例をぜひ知ってほしい」と、SYNCへの期待を示す。
勝俣氏は「タイの製品が日本で愛されるケースも増えており、日本がタイから学ぶ点も多いはずだ」と補足する。同氏によれば、日本の夏には「暑い国でもメイクが崩れにくいパウダー」として、タイの老舗ブランド「シーチャン」の化粧品が店頭に並ぶほか、ユニ・チャームがタイで展開する「涼感おりものシート」も日本で支持を集めている。
こうした中、日タイが相互に成功事例を共有し合う機会の重要性は一層高まっている。SYNCは、そのような相互学習の場としても価値を発揮するはずだ。

SYNCでは、ショートプレゼンが複数トラックで展開されるため、自身の関心領域に加え、これまで意識してこなかった分野にも自然と触れられるよう設計されている。田口CEOは「あらゆる業界・業種を対象としているが、在タイ日系企業からは、特に製造業のマネジメント層、そしてタイ人の皆さんにも参加いただき、タイ発のイノベーションを生み出すきっかけになれば嬉しい」と呼びかけた。
勝俣氏は「マザーハウスの山口絵理子社長によるバングラデシュ工場での取り組みや、『くまモン』のブランディングを手掛けた水野学氏によるIPビジネスの講演など、非常に刺激的なセッションを用意している」と、見どころを紹介する。
製造業を例に取っても、「生産」ではスマート化やAI活用による効率化、「販売」では現地市場に適応した顧客体験の設計など、それぞれに異なる課題が存在する。こうしたビジネスにまつわる多様な課題に対し、SYNCは新たな視点や具体的なヒントを提供する場となりそうだ。
ビジネスブース出展企業やイベント協賛企業も募集している。タイにおけるネットワーキングの強化や新たなビジネス機会の創出に向け、日タイのデザイン力が集結する一日を活用する価値は大きいだろう。
名称:「SYNC Design & Innovation in SITE 2026」(シンクデザインアンドイノベーションインサイト2026)
開催日:2026年6月26日(金)
※国家イノベーション庁(NIA)が主催する展示会「Startup x Innovation Thailand Expo (SITE)」(6月25日〜27日開催)内にて開催いたします。
開催場所:サイアム駅周辺(5月公開)
参加費:無料
主催:株式会社日経BP
企画制作・共催:株式会社フォーデジット、タイ国家イノベーション庁(NIA)
後援:クリエイティブ・エコノミー・エージェンシー(CEA)
後援/制作協力:株式会社ワイズコネクション、株式会社J-WAVE、iDID
◎ 勝俣 哲生 氏
株式会社 日経BP
トレンドメディアユニット長
◎ 田口 亮 氏
株式会社フォーデジット
CEO(代表取締役)
◎ ガンタトーン・ワンナワス 氏
Mediator Co., Ltd.
CEO(代表取締役)

THAIBIZ編集部
白井恵里子

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