THAIBIZ No.151 2024年7月発行スマートシティ構想で日タイ協創なるか
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カテゴリー: 特集, カーボンニュートラル, バイオ・BCG・農業
公開日 2024.07.10
あらゆる分野でサステナビリティの取り組みに挑む企業が増えている中、タイでは2020年より、飲料大手タイ・ビバレッジ(タイビバ)グループによる「Sustainability Expo(SX)」が毎年開催されている
5回目となる今年は、9月27日〜10月6日に開催予定だ。タイビバグループの副社長/チーフ・サステナビリティ・戦略担当のトンジャイ・タナチャナン氏に、同グループのサステナビリティに関する取り組みやSXについて、詳細を聞いた。
タイビバグループはこの10年間、グループ全体でサステナビリティに注力しているという。具体的には「①ネットゼロ、②水資源の確保、③パッケージングのリサイクルなど-の3つの目標」に向けて取り組んでいる。トンジャイ氏は「サステナビリティに対するアプローチの中心にある考え方はESG経営だ」とした上で、「これを軸にサプライチェーンやパートナーシップなどの関係者へ、そしてさらにパブリックへと活動の幅を広げている。
パブリックに対する取り組みは具体的に、サステナビリティ教育、スポーツ、アート・文化、コミュニティ開発など6つの分野で行っており、SXもこのレイヤーに位置する活動だ」と説明する。同氏によれば、サステナビリティの取り組みにおいては「パブリックプラットフォーム=国民をどう巻き込むのか」が肝心であり、SXはこの観点でも非常に重要な役割を担っているそうだ。
SXのターゲットは「B2C2B」だ。トンジャイ氏は「まずは大企業が行動を起こすことで消費者の行動を変える。マーケットが変化すれば中小・スタートアップ企業のビジネスにも良い影響がもたらされる、という考え方だ」と説明する。
2023年のSXでは、出展組織は246団体にのぼり、570人のスピーカーが登壇した。会場面積は70万平方メートル、来場者は36万2,859人、うち61%が18~35歳の若年層だったという。また、フードフェスの出展は409店舗、売上は3,600万バーツを記録。2,073キログラムの食品廃棄物を肥料に変換することで有効活用を実現したほか、20トンの二酸化炭素の削減、フードロスの寄付など、環境インパクトの削減にも本気で取り組んだ実績がある。
トンジャイ氏によれば、今年のSX開催に向けて、国際機関や多数の国の大使館と協議を進めており、今年は日本大使館による衛星技術の紹介も予定している。イベントの目玉の一つは「International & Innovation」と題する情報発信だ。具体的なテーマは「SEP Inspiration」、「Better Me」、「Better Living」、「Better Community」の4つ。
例えば「Better Me」では高齢化社会を当事者として体験できるエイジングシミュレーション、「Better Living」では気候変動によって生じる生活への影響に関する展示を予定している。その他、フードフェスやキッズゾーン、B2Bの情報交換が可能なイベント、環境破壊された後と環境破壊を食い止められた場合の様子を比較できる体験型シアター等も実施予定だ。
同氏は「日本は、水やエネルギーなど限られた資源の有効活用や高齢化社会への対応など、タイにはない知識や経験を持っている。これまで危機的状況をどう乗り越えてきたのか、ブース出展やステージ登壇を通じてぜひ発信してほしい」と、日本企業にも参加を呼びかけた。
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THAIBIZ編集部
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