ArayZ No.147 2024年3月発行タイの歴史の振り返りと未来展望
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カテゴリー: ASEAN・中国・インド
公開日 2024.03.10
2024年2月10日、国家行政評議会 (「SAC」) は2010年人民兵役法を即時施行した。人民兵役法は、2010年に公布されていたものの、施行されない状態が続いてた。国営紙グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマーは、「国防省は必要な通知、手続き、通告、命令、指令を発行する」と報じている。 そのため、徴兵手続きの詳細は、今後、通知等の下位法令で定められるものと予想される。
人民兵役法の概要は以下のとおりである。
(1)対象年齢層
・男性:18~35歳(ただし、専門家は18~45歳)
・女性:18~27歳(ただし、専門家は18~35歳)
(2)兵役期間
・24ヵ月。技術者または専門家として徴兵された者の場合は36ヵ月。
・連邦内で緊急事態が発生している場合は5年と規定されている。
・現在は非常事態宣言中であるため、本法に基づくと、最長5年間の兵役期間となり得る。
(3)兵役免除対象者
・仏教、キリスト教またはヒンズー教の聖職者 既婚女性(離婚して子供がいる女性を含む)
・永続的な障害のある者
・軍健康検査委員会によって永久に兵役に不適格であると判断された者
・中央機関が発行した命令に従って免除された者
(4)兵役猶予
・軍健康審査委員会により一時的に兵役に適さないと判断された者
・公務員、学生、無力な親の世話をしている者
・薬物をやめる治療を受けている者
・禁錮刑に服している者
(5)対象者の名簿の作成
区と村の地「平和開発評議会」は、兵役年齢に達した住民のリストを作成し、国家軍人を徴兵するための関連する郡区団体に、それぞれ1月1日までに送付する。
(6)動員
連邦の全部または一部における国防および安全のための非常事態が発令されている場合、連邦政府は兵役年齢の全員または一部、および国家奉仕を終えた全員または一部の者を動員することができる。
(7)再雇用
使用者は、国家奉仕のために徴兵された者を、終了後に再雇用する義務がある。
(8)罰則
本法に違反した場合、最高5年の禁錮が科せられる。
Khit Thit Mediaが、ミャンマー国民がタイに求職に行くのを止められている旨の投稿を掲載している。さらに、日本とシンガポールのdemand letterが一時的に停止されている。正式な通知が対外的に公表はされていないものの、労働省が海外雇用機関に指示したもようである。一時的な停止であり、間もなく新たな条件で再開される予定とも記載されている。
SACの報道官がメディアに対して答えた発言においては、24年4月の水祭り前後で実際の徴兵手続きを開始する旨を述べている。
徴兵の対象となる年齢のミャンマー人は徴兵を逃れるために大学に入学することを検討したり、国外へ逃れようとしている者が多い。パスポートやビザ申請者が急増しており、在ミャンマータイ大使館はビザ申請の人数制限を行っている。
SACは、24年2月13日付で国家軍人徴兵中央機関 (「中央機関」) を設立した旨及びその構成メンバーを規定した通知を発布した。今後、より具体的な徴兵手続き等に関する法令が公布されることが予想される。
TNY国際法律事務所が運営するミャンマー法令データベース。ミャンマー唯一のミャンマー法を年代別、法分野別に分類した形で確認でき、かつ、ビジネスに関連する1537の法律と854の規則等を英訳し、英語にて法令の内容を確認できる。ミャンマーが独立した1948年以降から現在までのすべての法律に加え、ビルマ法典に収録されたすべての法律を収録している。
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TNY国際法律事務所 (ミャンマー)
代表弁護士
堤 雄史 氏
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