カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2023.09.10
運転席裏側、及び車体両側面に合計424kWのバッテリーを搭載。市場に流通するEVトレーラーには三元系(NMC)及びリン酸鉄系(LFP)の2種のバッテリータイプが存在するが、より安全性が高く、耐用年数も長いとされるLFPタイプを採用した。
タイ発電公社(EGAT)が発行し、国際的に認定されている”I-REC”(再生可能エネルギー証明書)を購入予定で、EVトレーラーに充電する電気は、発電の際にCO2を排出しない太陽光や風力などに由来することを公的に証明することが可能。これによりゼロエミッション輸送の提供が出来る見込みだ。
ディーゼル車との対比時にEV車は車体価格や走行持続距離などで劣るものの、EV車のメリットとして、環境に優しいだけでなく、燃費が約半減、部品点数が少ないことによるメンテナンス費低減などランニングコストが低い、また、ギアチェンジ不要のオートマ式の為、運転手への負荷も低減できることが挙げられる。
Siam Nistransの元には、このところ自動車メーカーなどの取引先から脱炭素に関する問い合わせが相次いでいる。例えば、タイ国内の生産工場からタイ最大の貿易港レムチャバン港までの輸送をめぐって、カーボンニュートラル(炭素中立)に向けた取り組みができないかなどというのがその主な内容だ。
脱炭素の動きはもはや工場内の生産工程だけにとどまらない。原料・部品の調達から輸送・保守・メンテナンスに至るまで、およそ生産の前後に関わる全ての工程で対策が求められているという。入札の条件にさえも挙がるほどといい、同社でも大型車両の運搬ができるトレーラーのEV化は、急を要する課題として浮上していた。
社内検討の結果、EVトレーラーの導入により、ディーゼル車使用時との比較で4割程の脱炭素効果を見込む。また、太陽光などの再生可能エネルギーにより発電された電気の使用を証書化した「I-REC」(グリーン電力証書)の取得を申請中で、EVトレーラー+「I-REC」の組み合わせによりゼロエミッション輸送(二酸化炭素排出ゼロ)の実現を目指している。この環境に優しい物流を一つの選択肢として提供していくことで、今後更に強くなるであろう環境配慮に対する顧客のニーズを捉えると同時に、地球環境の保護に大きく貢献ができると考えている。
だが反面で、大きな問題も浮上した。車両価格だった。同社が導入を決めたトレーラーは424キロワットの大容量バッテリーを搭載し、1回の充電で走行可能な距離は600キロ。建機など大型車両を積載した状態でも300キロの走行ができる。しかし、車両価格が高い。一般的なディーゼル製トレーラーの2倍以上にもなるといい、採算性の問題が浮上したのだった。
これを克服するために見直しが行われたのが、効率的な運用だ。現在は片道60kmのルートを1日2往復、週6日間定常的に運行することで、稼働効率を上げ、輸送費用への転嫁を最大限抑制している。同時に、高速充電が可能な大容量充電設備を自社用地に導入しており、輸送作業途中に高速充電を実施することで、1日2往復から更に稼働率を上げられる見込みだ。
同社は他にも環境に配慮した物流メソッドを提供している。顧客の製品形状に適合させた繰り返し使用の出来る輸送用容器の提案や同容器の管理システムを提供しており、梱包資材削減による費用削減及び環境負荷低減に繋げることが出来る。
2023年4月に着任したばかりの現地法人社長の八束孝俊氏は、「脱炭素化の意識が予想以上に高いことに驚いた。しっかりとニーズを汲み取って、確かなサービスを提供したい」と話す。タイ国内におけるEVトレーラーの流通はまだ始まったばかりだが、公的機関や大手企業を中心にトライアルを含め、徐々に導入数が増加している。特に定型輸送ルートがある場合は導入しやすい傾向にある。サステナビリティへの取り組みとしてEVトレーラーの導入にご興味のある企業様は下記担当まで。
Siam Nistrans Co., Ltd.
担当:姫野
Mobile:06-3205-8757
E-Mail:[email protected]
WEB
https://www.th.nissin-asia.com/jp/
15th Fl., 191/66, 68-69 CTI TOWER, Ratchadapisek Rd., Kwang Klongtoey,
Khet Klongtoey, Bangkok 10110 THAILAND
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