ArayZ No.91 2019年7月発行離陸したタイ航空機関連産業
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カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2019.07.08
八木澤 克昌●やぎさわ かつまさ
「年間百万人を越えるタイ人が日本を訪れるようになりました。裕福になりましたが、 『世界一貧富の格差が激しい国 (2018年度クレジットスイス調査結果)』という汚名を着せられたように貧困層は減っていません」――タイ最大のスラム街、クロントイに家族とともに居を構えて27年となった八木澤克昌氏。アジア各地で子供への教育支援や緊急救援活動を行うNGO(非政府組織)シャンティ国際ボランティア会(SVA)のアジア地域ディレクターとして、過酷な現場を仕切る。
タイと出会ったのは1970年代後半。福祉系大学の山岳部に所属していた八木澤氏は、ヒマラヤ山脈を目指し、ネパールへと向かう途中でドンムアン国際空港に降り立った。1週間ほどの短い滞在だったが、転機となった同スラムを訪問する機会があり、衝撃を受けた。
内戦で分断されたカンボジアの難民問題の報道に接し、国際協力への関心を高めた八木澤氏は、大学卒業後に創設されたばかりのSVAに入職、今年で38年目を迎えた。タイ事務所は、図書館・保育園・学生寮の運営や奨学金の支給、自然災害時の緊急支援などを行っている。
「現場で寝起きしてみないと住人の立場が理解できない」と八木澤氏はクロントイを拠点 に、近隣のカンボジア、ラオス、ミャンマーに加えて、ネパール、アフガニスタンを担当。「貧しいながらもクロントイ住民の助け合いの精神は高いです。不衛生で喧嘩や麻薬などの問題は日常茶飯事ですが、スラムに縁のない日本の学生や社会人に視察に来てほしい」と呼びかける。
「スラムで育った子どもたちが教育を受けて、外交官や大学教授になったことが最大の喜び」と、これまで活動を支援してくれた在タイ日本大使館や日本人会などに感謝の意を示す。 「私が子供たちに励まされるケースも多く、援助をしているという気持ちはない」と謙虚な姿勢も崩さない。
複数の国を担当していることから、陸路で国境を越えることも珍しくない。「タイから近隣国に歩いて渡ると、国境付近がダイナミックに動いていることを実感します。この仕事の醍醐味の一つだと考えています」と目を輝かせる。趣味は写真撮影で、 「撮られるのは苦手ですが、人の自然な表情を撮るのは好きです」と愛用の一眼レフカメラを離さない。テクニックはないが、心のこもった写真を撮りたいとファインダーを覗く。
学生時代から熱中していた山登りのほか、数年前まで監督兼捕手として活躍していたソフトボールをいつか再開したいと語る八木澤氏。「炎天下で奮闘する選手達と、またプレーすることを楽しみにしています」と、厳しい〝現場〟での挑戦はこれからも続きそうだ。
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
シーカーアジア財団
SIKKHA ASIA FOUNDATION
100/14-20 Keha Klongtoei4, Klogtoei, Bangkok, Thailand. 10110
TEL:+66-(0)2-2497567, +66-(0)2-2497568
E-mail:[email protected]
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THAIBIZ編集部
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