カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2017.08.30
青木 美知子 あおき みちこ
リーダーやエグゼクティブへのコーチングを通じ、企業の組織改革や人材開発の支援を行うコーチ・エィが、今年で設立20周年を迎えた。
同社は日本におけるコーチング・ファームの草分け的存在であり、経営者や役員など、経営判断をする立場にあるリーダーを対象にした「エグゼクティブ・コーチング」のほか、独自に開発した「システミック・コーチング」を提供している。
ビジネス環境が変化し続ける今の時代、スピーディな変革を実現するためには、経営者とともに組織変革を実現するリーダーの数を物理的に増やす必要がある。そこで、システミック・コーチングではコーチをつけるリーダーを起点に、その上司や同僚、部下も含めコーチングの実践とフィードバックを繰り返す。リーダーはフォロワーではなく新たなリーダーを育て、組織のマジョリティがリーダーシップを発揮することで、組織全体の変革が可能となる仕組みだ。
4年前に設立したバンコク拠点は、ニューヨーク、上海、香港、シンガポールの他拠点と同様に、現地日系企業を中心に事業を展開している。同社の執行役員兼タイ現地法人の代表を務める青木美知子氏は、「今後は日系企業にとどまらず、現地企業への支援も広げていく中で、タイの発展にも貢献していきたい」と話す。
これまで日系企業の現地法人は、日本人が考えたことをタイ人がやるという仕組みで動いてきた。しかし近年はローカル化を推進すべく、考える作業や決定権限をタイ人に移譲する企業が増加。同社のバンコク拠点においても、設立から1年でタイ語でのコーチングの提供を開始し、日本人社長、日本人マネージャーだけでなく、日系企業のタイ人トップやミドル・マネジメント層には、同社のタイ人コーチがコーチングを行っている。
青木氏は、コーチングとは「ハードアサイン&コーチ」であると説明する。新しいポジションや役割、職務環境において、限られた任期内で複数のミッションを遂行しなければならない海外拠点トップには、より高度な変化適応力が求められる。トランジション(=職務の移行)期には課題が発生しやすいからこそ、リーダー開発のコーチングを取り入れることで、リスクの軽減と、組織の生産性や意思決定のスピード向上につなげている企業も増えている。
「タイにおけるコーチングは、日本人リーダーがタイ人の部下を目の前にした時の、自分自身の在り方、スタンスに向き合い、探求していくプロセスでもあります。日本人リーダーが新任地における変化にスピーディに適応し、本来のパフォーマンスを発揮するには、異なる文化や価値観を持つ相手と自身の意見や考え方を共有し、理解し合い、合意点を見出すこと。つまり、タイ人との『対話』が重要な鍵になります。
同時に、優れたリーダー像は国ごとにも企業ごとにも異なりますから、どのようなリーダーのあり方が機能するのか、フィードバックを集め、クライアントに問いかけながらともに考え、リーダーを開発するのが私たちの仕事です。世界的にリーダーが不足している今、創りたい未来と、人のいるところに、私たちがお役に立てる領域があると思っています」。
株式会社コーチ・エィ
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THAIBIZ編集部
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