成果につなげる、人事マネジメントとは。 ~「やるべきこと」から目を背けないための5つのポイント~|Asian Identity Co., Ltd.

成果につなげる、人事マネジメントとは。 ~「やるべきこと」から目を背けないための5つのポイント~|Asian Identity Co., Ltd.

公開日 2016.07.26

「どうすればタイの人材を育てることができますか?」

タイで人事コンサルティングを行っている弊社に、もっとも多く寄せられるのがこの問いです。もちろん、簡単な問いではありません。日本でも若手人材を育てることが難しいように、一朝一夕では解決しない問題です。しかしながら、我々はつい、「タイだから」ということに甘えて、やるべきことをおろそかにしがちであることも否めません。本記事では、タイの人事マネジメントで我々が見逃しがちなこと、気を付けるべきことを弊社の経験を踏まえて述べたいと思います。

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日本人とタイ人の混成による、Asian Identityコンサルティングチーム

POINT 1 理念

タイ人に愛される自社の「らしさ」を明確にする

まず、経営で最も大切なのは「理念」です。人間は、お金や仕事内容だけでなく、仕事に「意味」を求める生き物です。そして日系企業は優れた理念を持っていることで知られています。古くは「三方よし」の近江商人の理念や、松下幸之助の「人間」を中心とした経営観など、日本企業の最大の強みが経営理念であることは世界中で評価を受けています。みなさんの企業は、どういった「価値観」「らしさ」を持っているでしょうか。そうした 理念がタイ人に理解され、また愛される状態に翻訳されているでしょうか。
言葉で翻訳するだけでなくビデオにするなど工夫して、自社が何を目指しているのかタイ人のココロに届くようにしましょう。成功企業では「タイ現地法人の理念をタイ人と一緒に作る」といった取り組みも見られます。そういった取り組みは、組織をさらにローカルから愛されるものにする効果があります。

POINT 2 採用

価値観ベースの採用基準を作り、優秀人材を「惹きつける」

次に重要なのは採用です。人材採用を「バスに乗せる」と表現することがありますが、間違った人をバスに乗せてし まうと、後から降ろすのが大変ですし、また同乗者(組織のほかのメンバー)にも影響してしまうので注意が必要です。しかし、よく言われるように、タイでの採用は需給バランスが悪く、簡単ではありません。加えて、昨今は優秀な人材が日系企業に対してあまり興味を示さなくなっているという傾向があるようです。
採用においては、優秀人材を「惹きつける」という姿勢で臨めているでしょうか。 面接に来た人から「選ぶ」だけでは不十分で、採用ブランディングを行う、魅力的なビジョンをリーダーが語るといった活動を通じて、優秀人材を惹きつけるプロセスに転換すべきです。また、日系企業は基本的に「人物採用」が得意です。逆に、経歴やスキルなどの「スペック採用」には慣れていない面があり、タイでは人間性を見ずにスペックだけで採用しがちな例も散見します。上述の理念に基づいて、価値観ベースで「求める人材像」を明確 にしましょう。

POINT 3 育成

日本人とタイ人で 「一緒に育つ

採用の次は育成です。弊社はタイでの教育研修を多く手掛けますが、「日本人とタイ人をなるべく分けない」ことを提案しています。タイ人に研修をすると 「日本人上司こそ問題だ」という話に必ずなります。これは何もタイに限った話ではなく、企業での教育というのは「上司も部下も一緒に育つべき」ものなのです。研修は貴重なコミュニケシーション、また信頼構築の場でもありますから、日本人とタイ人を混ぜて、普段できない話や問 題意識の共有などを行うべきです。言語の問題は、研修の設計の仕方を工夫すればクリアできます。

asian identityレゴを使用した参加型のワークショップは前向きな姿勢を醸成する

POINT 4 動機づけ

「関係ベース」で信頼関係を作る

人材をリテンションしていくためには、 動機づけという観点も見逃せません。動機づけの基本は、普段のコミュニケーションです。タイ人としっかりとしたコミュニケーションが出来ているでしょうか。食事会、社員旅行、といったコミュニケーション施策は重要ですが、大事なのはその「やり方」です。旅行に行ったのに日本人だけで別行動してタイ人から不満が出たという笑えない話もあります。ある研究によると、信頼関係の作り方は日本人とタイ人では差が見られます。日本人は「タスクベース」、つまり仕事上の約束事を守ってくれるかどうかで 相手を信頼します。一方でタイ人は「関係ベース」、つまり、食事や何気ない会話など、基本的な人間関係があるかどうかで相手を信頼します。我々 日本人はつい仕事の話から入ってしまいますが、その前提となる関係構築にも目を向けましょう。

POINT 5 評価

明確な評価基準とステップアップ感を作る

最後に評価です。毎年の給与交渉、またリテンションのための交渉などは頭が痛いものですが、そこには明確な評価基準を持って臨むべきです。人事評価の基本的な考え方は世界標準で変わりません。 成果を上げた人には報酬を与え、行動 (コンピテンシー)の良い人にはポジションを与える、というものです。時々「パフォーマンスは高いが行動に問題がある社員」にポジションを与える例を散見しますが、これは避けなければなりません。そのためには、理念に基づいた求める行動をしっかりと言語化しておき、「わが社はこう いう人物を評価します」ということを明確にしておくことです。またタイの人材は日本人よりは短期的にキャリアを捉えます。キャリアステップを明確にして、ステップアップ感を社内でも感じられるように制度設計しましょう。
最後に、人事施策は「何をやるか」よりも「どうやるか」のほうが大事です。つまり、我々一人一人の姿勢にかかっています。日本人の様子をタイの方々は日々見ています。我々自身がタイという国や、タイ人へのリスペクトを持ち続けていれば、きっと皆さんの組織は良くなっていくと思います。一緒に頑張っていきましょう。

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日系企業でのワークショップの模様

 

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Asian Identity Co., Ltd.
CEO & Founder 中村勝裕
愛知県出身。上智大学外国語学部卒後、ネスレ日本入社。その後、 コンサルティング会社リンクアドモチベーション(東証一部上場)において組織変革コンサルタントとして数多くのプロジェクトに従事した後、GLOBIS ASIA PASIFICにおいて東南アジア各地における企業人材育成や、日本人の海外研修の企画や運営を担当。 2014年よりタイに移住し、タイ人とともにAsian Identity Co. Ltd を設立。日本人とタイ人の混成チームで、日系企業の人材開発、 組織活性化を支援するコンサルティングを行っている。

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Asian Identity Co., Ltd.
Major Tower Thonglor Fl.10, 141 Soi Thonglor 10,
Sukhumvit Road, Khlong Tan Nuea, Wattana, Bangkok 10110

お問い合わせ
info@a-identity.asia
http://asian-identity.com

THAIBIZ編集部

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