法人税確定申告書の見方(後編)

THAIBIZ No.159 2025年3月発行

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法人税確定申告書の見方(後編)

公開日 2025.03.10

前稿(THAIBIZ1月号)に引き続きタイの法人税確定申告書(PND50)の読み方について解説していきます。PND50は図表1のような構造になっています。
 

出所:タイ歳入局2023年度のPND50フォームをもとにJGA作成

この中で、まず監査報告書上の会計数値から課税所得計算を記載するItem 2の内容は下記の通りです。

1. 売上

2. 原価

3. 売上総利益。黒字の場合は左、赤字の場合は右のボックスを選択

4. その他収益

5. 上記3番+4番(赤字の場合は4番-3番)の値

6. その他費用

7. 上記5番-6番(赤字の場合は5番+6番)の値

8. 販管費および一般管理費

9. 税前利益。黒字の場合は左のボックス、赤字の場合は右のボックスを選択

10. 税務上、追加で益金認定すべき金額

11. 税務上、損金不算入扱いとすべき金額

12. 上記9番+10番+11番(赤字の場合9番-10番-11番)の値

13. 課税を免除される所得額または追加で損金算入が認められる費用

14. 上記12番-13番(赤字の場合12番+13番)の値

15. 繰越欠損金

16. 上記14番-15番(赤字の場合14番+15番)の値

17. 寄付金等の追加控除のうち上限額を超える金額

18. 寄付金のうち損金不算入とすべき金額

19. 研修費のうち損金不算入とすべき金額

20. 上記16番+17番+18番+19番(赤字の場合16番-17番-18番-19番)の値

21. 課税所得。課税所得発生の場合は、欠損金に充当される場合は右のボックスを選択

Item 2で計算した課税所得からPND50申告に伴い実際に支払うべき納税額を計算しているのがItem 1になります。

1. Item 2で計算した課税所得を記載します

2. こちらは適用される法人税率を選択する項目です。通常は選択肢(1)を選択します。その上で法人税額全体の金額を記載します

3. 既に納付済みの源泉税、中間申告時の仮払法人税等を記載します

4. 未払いとなっている追加納税額(上記2番-3番)を記載します。もし還付ポジションになる場合は2番+3番の金額です

5. 罰金、延滞税など

6. PND50申告に伴う最終的な納税額

なお、PND50フォーム(2023年度)は、タイ歳入局のウェブサイトにて確認できます。
https://www.rd.go.th/fileadmin/tax_pdf/cit/2566/010267CIT50.pdf

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J Glocal Accounting Co., Ltd. Managing Director

坂田 竜一 氏

バンコク在住。2007年大学卒業と同時に、東京の流動化・証券化に特化した会計事務所に就職。その後、バンコクの大手日系会計事務所で5年間、日系金融機関ほか日系企業の会計・税務、監査業務に従事。税務当局との折衝やDD業務を現地スタッフを介さずにタイ語で対応。2013年12月 J Glocal Accounting 設立。タイにおける会計・税務の専門家として、日系企業へのサポートを行っている。

J Glocal Accounting Co., Ltd.

Website : http://jga.asia/

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