ArayZ No.77 2018年5月発行知的財産 最新情報(後編)
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カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2018.05.22
目次
► 2018年2月のタイ経済は引き続き拡大基調になりました。その主な牽引役は輸出と観光の外需でした。また、民間消費が全部門で拡大したほか、民間投資や公共支出も増加しました。内外需の拡大に支えられ、製造部門も成長を続けました。► 2018年3月の消費者物価の上昇率は、前年同月比0.79%上昇しました。原油価格が上昇し、コメなど農産物価格が回復傾向で、前月から伸びが加速しました。一方で、振れ幅の大きい生鮮食品とエネルギーを除くコア・インフレ率は、同0.63%の上昇で、前月から伸びが横ばいでした。
► ここ数年、タイのオンライン小売売上高は年平均15~20%成長を継続し、2017年の売上高は2.54千億バーツ以上となりました。この急速な拡大の一つの要因はタイの消費者がオンラインショッピングに対する安心感を持つようになってきたことです。とりわけ、ファッション品、化粧品、電化製品のオンライン売上高は著しく成長しました。
► タイのオンライン小売業の中でマーケットシェアが一番高いプラットホームは「ソーシャル・コマース」です。次の重要なオンライン小売プラットホームは「電子市場(eマーケットプレイス)」です。カシコンリサーチセンターの予測では、2018年のオンライン小売マーケットシェアはソーシャル・コマースが48%、電子市場が28%となる見込みです。両方のオンライン小売プラットホームとも事業者数が継続的に増加し、現在は総計50万企業以上となりました。
タイ中央銀行が発表した2018年2月の重要な経済指標によると、タイ経済は拡大を続けています。民間消費が全部門で拡大したほか、民間投資や公共支出も増加しました。内外需の拡大に支えられ、製造部門も成長を続けました。
2月の民間消費は前年同月比2・5%上昇し、前月の同5・8%増から減速しました。全ての支出部門で消費が増えています。しかしながら、これより前の時期の支出増による反動から伸び率は鈍化しました。購買力を支援する要因は総じて未だ安定しているとは言えず、低所得層へ浸透するまでには至っていません。
一方で、民間投資は前年同月比3・1%上昇し、8ヵ月連続でプラス成長となりました。機械・設備への投資の伸びは前月から加速しました。しかしながら、建設への投資は低迷し、セメントやコンクリートなどの建材の販売が落ち込みました。
2月の輸出は、前年同月比7・7%上昇しました。貿易相手国の景気拡大に沿ったもので、全ての主要市場向けと、ほぼ全ての商品分野で増え続けています。自動車部品の需要拡大や、原油高による石油関連製品の出荷価格の上昇、機械や設備の輸出拡大などが寄与しました。しかしながら、ゴム価格の下落などにより、農産物の輸出額は低迷しました。
工業生産に関しては、前年同月比4・7%増となり、4ヵ月連続でプラス成長となりました。特に輸出の好調と国内市場の拡大が続いている自動車・部品の生産が伸びています。ハードディスク駆動装置の生産も海外需要に伴い増大しました。
観光業では、外国人観光客数が前年同月比19・3%増の357万人となり、前月に引き続き拡大しました。中国人向けの違法ツアー摘発で前年に中国人旅行者が落ち込んでいたことへの反動に加え、世界経済の拡大に伴いほぼ全ての国からの観光客が増えました。旧正月(春節)の連休があったため中国人旅行者が急増したほか、マレーシア人旅行者数も増加しました。また、タイとマレーシアを結ぶ格安航空会社の新路線の就航などが寄与しました。
商務省が発表した2018年3月のヘッドライン・インフレ率は、前年同月比0・79%上昇しました。原油価格が上昇し、コメなど農産物価格が回復傾向で、前月から伸びが加速しました。
品目別にみると、非食品・飲料部門が前年同月比1・13%上昇しました。昨年9月の物品税制改正の影響を受け、たばこ・酒が同6・0%上昇しました。それに加え、運輸・通信のうち燃料石油も同2・6%上昇しました。
一方で、食品・飲料部門は同0・2%上昇し、2ヵ月ぶりにプラスになりました。調味料、肉・魚、卵・乳製品がそれぞれ同1・9%、1・6%、1・3%下落したものの、非アルコール飲料が同1手・2%上昇するなどそのほかはプラスでした。
一方で、振れ幅の大きい生鮮食品とエネルギーを除くコア・インフレ率は、前年同月比0・63%の上昇で、前月から伸びが横ばいでした。
米通商代表部は4月3日、対中制裁関税の原案を公表しました。対象となる品目は、産業用ロボットなど約1300品目で、中国のハイテク産業を狙っています。中国は4月4日、米国産の大豆や牛肉などの農産品に加え、自動車や航空機を含む106品目に追加関税を準備する方針を公表しました。通商面での強硬姿勢はあくまで「米国の中間選挙対策」と「中国政権の権威保持」だとの見方もあります。しかし、米中貿易摩擦は貿易戦争に発展するのではないかとの見方もあります。
ドル円相場は、3月23日に1ドル=104・74円までドル安・円高が進行しましたが、その後はゆっくりドル高・円安方向に反転しています。そのため、金融市場は、米中貿易摩擦問題に対する過度な懸念はないと考えます。ただし、今後の展開を見極める必要があります。仮に米中関係が悪化する場合、ドル安・円高方向に向かうと思われます。
近年、タイではスマートフォンによりインターネット接続が以前よりも簡単に行えるようになりインターネットの利用がより多くの人に広がってきました。その結果として、タイ国内オンライン小売業が急速に成長しています。また、タイの小売市場の競争が厳しくなってきました。
ここ数年、タイのオンライン小売売上高は年平均15~20%成長を継続し、2017年の売上高は2・54千億バーツ以上となりました。この急速な拡大の一つの要因はタイの消費者がオンラインショッピングに対する安心感を持つようになってきたことです。とりわけ、ファッション品、化粧品、電化製品のオンライン売上高は著しく成長しました。カシコンリサーチセンターは2018年の企業対消費者(B2Ⅽ)オンラインショッピングは3・05千億円となり、今後さらに毎年16%の割合で成長を続け2022年には6・04千億バーツまで増大すると予測します。そのため、タイ小売市場全体におけるオンライン売上高の割合は2017年の5・0%から2022年には8・2%に達する見通しです。
タイのオンライン小売業の中でマーケットシェアが一番高いプラットホームは「ソーシャル・コマース」です。ソーシャル・コマースとはフェイスブック、LINE、インスタグラムなどのソーシャルネットワーク上で顧客の問い合わせ対応から購入・配達の連絡先まで全ての商売を行うビジネスです。次の重要なオンライン小売プラットホームは「電子市場(eマーケットプレイス)」という商品と店舗を収集する売買仲介デジタル市場です。
カシコンリサーチセンターの予測では、2018年のオンライン小売マーケットシェアはソーシャル・コマースが48%、電子市場が28%となる見込みです。両方のオンライン小売プラットホームとも事業者数が引き続き増加し、現在は総計50万企業以上となりました。このためタイの現在オンライン小売業は小型小売業者や大手小売業との競争が激しい状況となっています。
タイ・外資系新規参入大手小売業者は基本的に資本金、パートナー、支払いシステムから出荷までのサプライチェーンマネジメント、ブランド認知などの用意ができているため、タイの小型小売業者を厳しく圧迫しています。小型オンライン小売業者にとっては、ブランディングや配達システムの面における競争が不利になっています。
しかしながら、小型オンライン小売業者の強みはサービスの柔軟性で、特にアフターサービスの面では大手小売業より手厚いサービスを提供することが可能です。
したがって、カシコンリサーチセンターは、激しい競争となっているオンラインショッピング状況を背景に、小型小売業者は常に変化する顧客のニーズに対応できるようにそれぞれの消費者に対する個人的なカスタマイズ・サービスを行うことを推奨します。顧客がそのサービスに感動すればブランド名が記憶されるほか、長期的にブランドの信頼感獲得につながる可能性が高いためです。
※本資料は情報提供を唯一の目的としており、ビジネスの判断材料とするものではありません。掲載されている分析・予測等は、資料制作時点のものであり、今後予告なしに変更されることがあります。また、予測の妥当性や正確性が保証されるものでもありませんし、商業ないし何らかの行動の為に採用することから発生した損害の責任を取れるものでもありません。本資料の予測・分析の妥当性等は、独自でご判断ください。
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THAIBIZ編集部
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