自動車システム「AZAPA」がEVアピール、中国の間違った経済戦略

自動車システム「AZAPA」がEVアピール、中国の間違った経済戦略

公開日 2024.04.08

自動車システムのデザイン・開発を手掛ける日本のスタートアップ企業AZAPA(アザパ、名古屋市)は3月27日~4月7日に開催されたバンコク国際モーターショーに出展し、ダイハツの軽トラックであるハイゼットを電気自動車(EV)のコンバージョン(エンジンなどのパワートレインを電動部品と入れ替えてシステムを再構築)モデルである「HIJET CONVERSION EV」などを披露。今後、タイを含む東南アジア諸国連合(ASEAN)地域での展開を目指すという。

同社は、前職でエンジン制御理論を担当していた近藤康弘氏(社長兼CEO)が2008年に創業。システムデザイン会社として先行車両開発を企画から量産製造まで可能で、自動車産業の中で「Tier0.5」というユニークなポジションを確立しているという。そして、EVのシステムプラットフォームをパッケージ形式でライセンス提供もしている。今回の展示ではハイゼットに加え、「Tommykaira」ブランドのスポーツカーのEVコンバージョンモデルや、高齢者向けの自動運転機能を備えた「Power Scooter」も展示した。

近藤社長はシステムインテグレーションによる車の部分的な最適化、システム全体で性能を改善する研究開発から始めた。そして現在は、「エネルギーとモビリティーのセクター統合を実現する必要がある。特に商用車は社会インフラの一部であり、エネルギーをミックスして最適化することが重要だ。また、今の消費者ニーズが大きな車から小さな車へ移行してくるとともに、エネルギーを社会インフラとして無料化していく方向性もある。さらに、今後の物流インフラの拡張が予測される中で、ラストワンマイルでは軽自動車が選択肢の1つになるだろう」と指摘。その上で、「自動車産業は非常に裾野が広く、自国の経済を維持しやすい産業だ。この産業に当社のライセンスを供与することによって、商用EVを普及させるプロジェクトに発展させていきたい」と意気込みを示した。


44日付バンコク・ポスト紙(ビジネス3面)によると、ベトナム複合企業ビングループ傘下の自動車会社ビンファストのタイ法人のブー・ザン・イェン・ハン最高経営責任者(CEO)は、ビンファストはタイへの電気自動車(EV)輸出を開始した後に、タイでのEV組み立て工場を建設するかどうかを決めるとの意向を明らかにした。東南アジア諸国連合(ASEAN)自由貿易地域(AFTA)の恩恵を享受するために東南アジアでEVを販売し、中国系と競争するという。

ハンCEOは、タイ投資委員会(BOI)と外国企業向けの投資恩典について相談しているとする一方、「タイにEV工場を建設するかどうかはまだ決めていない。まだ調査段階だ。ベトナムの本社が最終決定するだろう」と述べた。


英エコノミスト誌46日号は、巻頭記事で「中国と世界経済」をテーマに取り上げている。表紙は習近平国家主席らしき人が、大きなテーブルの真ん中にある大きなボタンを指で押そうとしているイラストだ。副題は「経済の低迷を脱するための習近平の間違った計画は中国の人々を失望させ、世界中を怒らせるだろう」というもの。同記事は「それは1990年代に始まった鄧小平氏の遠大な改革以来の中国にとって大きな経済のテスト場面となる。中国は昨年、経済成長率5%を達成したが、何十年も続いた奇跡の成長の主柱は揺らいでいる。有名な産業労働人口は減少しており、歴史的な不動産ブームは破裂しており、中国を豊かにさせた世界の自由貿易システムは分解しつつある」と話を始める。

そして、習氏の対応策は中国経済を再建する大胆な計画を強化するものだと指摘。技術理想主義、中央計画経済、「安全保障への強迫観念」の組み合わせによって、中国が未来の産業を独占するという野望に挑むものだという。中国政府当局が「新たな生産力」と呼ぶ戦略は、景気を浮揚させるために大規模な消費刺激策を取るという伝統的な手法ではなく、政府主導で先端製造業の発展を加速させ、生産性の高い雇用を創出し、米国の攻撃に対抗し、自立可能な国にすることを習氏は望んでいるという。具体的には、「鉄鋼と摩天楼(の経済)から一足飛びで、電気自動車(EV)、バッテリー、バイオ製品の大量生産や“ドローンによる低高度経済”に移行する」ことを目指しているとする。

こうした習氏の戦略に対し、同記事は「しかし、習氏の計画は根本的に間違った方向だ。1つの目の間違いは消費者を無視していることだ。あらたな生産力は、国内総生産(GDP)の37%でしかなく、世界の水準より大幅に低い。不動産市場の低迷の中で信頼感を回復し、消費を喚起するためには景気刺激策が必要だ」と指摘。さらに、もう1つの間違いとして、「国内需要の弱さを考えれば、新たな製品は輸出しなければならないが、世界は2000年代のような自由貿易システムから変容しており、特に米国は中国からの先端製品の輸入、あるいは中国企業が作った製品を確実にブロックするだろう。また、欧州は域内の自動車メーカーを締め出しつつある中国製自動車に対しパニックになっている」との見方を示す。

また最後の間違いは、起業家に対する習氏の非現実的な見方であり、資本家のリスクテイクのメカニズムはダメージを受けているからだと指摘する。そして、「中国は1990年代のデフレと不動産価格の暴落に囚われた日本のようになる可能性がある。さらに悪いことに、中国の偏った成長モデルは世界貿易を破綻させる可能性がある。もしそうなれば地政学的な緊張をさらに高めることになるだろう」と警告している。

THAIBIZ編集部

Recommend オススメ記事

Recent 新着記事

Ranking ランキング

TOP

SHARE