カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2019.01.22
「石を投げれば当たる」――と言われるくらい増殖するバンコクのコーヒー店。オフィスビルやモールに店舗を構える欧米系の高級店舗は、一杯100バーツ前後ながらも若者を中心にいつも賑わっている。街角では持ち帰り用のコーヒー屋台が、「もっと気軽に飲みたい」という市民の声に応える形で営業している。ただ、屋台でも価格は30バーツ以上と、ほぼ一食分に当たる価格設定になっている。
「仕事の合間に、社内で本格的なコーヒーを従業員に美味しく気軽に飲んでほしい」と、BtoBに特化したオフィス向けコーヒーサービスを2年前に開始した高添純一氏。ミーティング、セミナー、多数の来客用に便利な「ドリップ式コーヒーマシン」、ワンタッチで一杯ずつコーヒー豆を挽き、フレッシュコーヒーを簡単に楽しめる「全自動エスプレッソマシン]をオフィスなどへ提供し、新鮮で高品質のコーヒー豆を届けてくれる。現在、バンコクを中心に契約企業は既に200社以上と急成長している。
高添氏は独立前に10年間、同業態の大手ユニマットライフに勤務。上海での2年半の駐在経験を生かしてタイで事業を2016年12月に立ち上げた。「設立以来、多くのお客様に弊社サービスをご利用頂いておりますが、最近では日系企業だけでなく、欧米系企業、タイのローカル企業からも評価をいただき、徐々にお問い合わせ、ご紹介も増えています。今後はホテル、飲食店、クリニック、美容室、スポーツ施設などの開拓も目指したい」と20年までに契約企業500社以上を目標に掲げている。
食品・飲料最大手ネスレによると、ブラックで飲むタイ人は8%のみと、同じ東南アジアのシンガポール(20%)と比べると低い。多くはホットコーヒーではなく、クリームと砂糖をたっぷり入れたアイスコーヒーを好む。高添氏は、「ここ数年、タイでもコーヒーを飲む習慣が急速に広まってきました。しかし、飲み方はミルクや砂糖をたっぷり入れる甘党が主流です。多様化する顧客ニーズに応えるためドリンクサーバー、商品のラインナップを今後拡充していく予定です」と抱負を語る。
タイは意外にもアジアで第3位のコーヒー豆の生産国だが、タイ人の一人当たりの消費量は250杯。400杯の日本人や英国人と比べると、市場に伸びしろがある。高添氏は、「コーヒーを飲む文化、ライフスタイルの定着を考えるとタイのコーヒー消費は、日本や欧米に近づくことが想定されます。伸びていく市場に遅れないよう、商品ラインナップを充実させ、真摯にサービスに取り組むことでお客様へ最高の満足をお届けできるよう精進してまいります」 と、どこまでも徹底した顧客目線のサービスが、多くの企業から支持されている所以だ。
空前のコーヒーブームで多忙な日々を送る高添氏。趣味に没頭する時間が見つからないのが悩みの種だ。今後は交流範囲を広げるために、徐々に時間を作って大好きなスポーツで運動不足を解消したいと語る。「今年は、いつも頑張ってくれているスタッフ達と社員旅行へ行きたい」と、コーヒー豆の生産地でもある北部チェンライ、チャンマイへの旅行を心待ちにしている。
THAIBIZ編集部
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