「中国メーカーGWM、価値競争への転換を表明」「原油高で成長率1.3%に低下か、中東情勢長期化が影響」

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「中国メーカーGWM、価値競争への転換を表明」「原油高で成長率1.3%に低下か、中東情勢長期化が影響」

公開日 2026.03.31

中国の自動車メーカー長城汽車(GWM)のタイ法人、長城汽車(GWM)タイランドは3月12日、新型モデル小型スポーツタイプ多目的車(SUV)「GWM ORA 05」を公開した。中国市場以外では初となる、ハイブリッド車(HEV)およびバッテリーEV(BEV)の両モデルを同時展開する。

GWM ORA 05のHEVモデル 写真提供:長城汽車(GWM)タイランド

GWMタイランドのウティコン副社長は2026年の事業計画について、「xEVを網羅する製品ラインナップを目指す」と強調。同社の2025年末時点のタイ国内累計販売台数は5万3,619台に達しており、前年は過去最高となる1万8,096台(前年比146%増)を記録した。タイ進出5周年を迎える今年は2万5,000台を目標に掲げる。

同社経営陣による市場予測では、今年のタイ国内の新車販売総数は約64万台(GDP成長率約2%に準拠)と見込まれている。EVは昨年、前年比20%以上の高成長を記録したが、今年は成長が鈍化し、横ばいで推移すると予測。一方で、HEV市場はシェアを拡大し、さらに人気が高まるとしている。

また、同社は2024〜2025年にかけて激化した中国国内における「EV価格競争」の教訓を挙げ、今後タイ市場では顧客からの長期的な信頼を構築するため、過度な価格競争には加わらないと明言。価格の安定化を最優先し、消費者に視点を合わせた「価値競争」へと舵を切る方針だという。

なお、タイ工場の製造コストは中国国内よりも高くなるものの、同社は現地調達率を80%まで引き上げる計画を明らかにしている。


3月18日付のバンコク・ポストによると、中東情勢の長期化を受け、原油価格の上昇がタイ経済に与える影響が強まっているという。

暫定財務相のエクニティ氏は、「原油価格が1バレルあたり10ドル上昇するごとに、タイのGDP成長率は約0.2ポイント押し下げられる」と説明。また、国家経済社会開発評議会(NESDC)は当初「1ヶ月以内に戦争が終結する」と分析していたが、現状はそれを上回る長期化の兆しがあると述べた。

その上で、NESDCは以下のシナリオを提示している。

シナリオ①>戦争が1ヵ月以内に収束し、ホルムズ海峡が閉鎖されるケース:原油価格は1バレル95〜105ドルに上昇し、タイの成長率は従来見通しの2%から1.6%へ低下。

シナリオ②>戦争が1ヵ月以上続き、同海峡が閉鎖されるケース:原油輸送とサプライチェーンが混乱、原油価格は115〜125ドルに達し、成長率は1.3%まで低下。

エクニティ氏はこうした状況を受け、財務省幹部による緊急会合を開催。原油市場や輸入要因の分析を進めているという。


スーパーマーケットのトップスなど運営する流通大手、セントラルリテール(CRC)は3月12日、2026年はタイとベトナムを中心に160〜180億バーツを投資し、出店および既存店改装を進める方針を示した。両国で22〜26店舗の新規出店と、7店舗の改装を計画している。

同社の売上構成は、タイが80%、ベトナムが20%。スティサーン最高経営責任者(CEO)は、両国を高成長市場と位置づけ、投資を集中する方針を明らかにした。ベトナムでは会員プログラム「The 1」の会員数が430万人を超え、顧客基盤の拡大も進む。

2025年は、ホームセンター事業「タイワツドゥ」が売上430億バーツ、年平均9%成長で市場シェア25%を確保。一方で、同社が掲げる2026年の売上成長率は4〜5%にとどまる。

投資を継続しながらも、事業拡大の軸はASEAN全体ではなく、成長余地のある市場タイとベトナムの2市場に明確に置かれている点に注目したい。


工業団地開発大手アマタ・コーポレーションは3月10日、2026年の土地販売2,800ライ(1ライ=1600平方メートル)を目標とし、ASEANへの外国直接投資(FDI)の流入継続が需要を支えるとの見通しを示した。同日のプレス発表によると、2025年の純利益は前年比28%増の31億5,000万バーツと過去最高を記録している。

同社はタイ、ベトナム、ラオスで事業を展開しており、2026年の販売計画はタイ1,650ライ、ベトナム550ライ、ラオス600ライ。特にタイでは、東部経済回廊(EEC)を中心にデジタル関連やハイテク産業の投資需要を見込む。

ヴィクロム会長は「企業は生産拠点に加え、R&D拠点の設置も進めている」と述べ、投資の質の変化に言及した。実際、電子、環境関連、物流など幅広い分野で、アジア企業を中心とした拠点分散の動きが続いているという。

同社は約100億バーツを投じて用地拡張やインフラ整備を進める方針で、ASEANを投資先とする動きの受け皿として体制強化を図る。地政学リスクへの警戒は残るものの、製造業の拠点分散と高付加価値化の流れは継続している。

ベトナム・クアンイエン市のアマタ工業団地 写真提供:アマタ・コーポレーション

THAIBIZ編集部
サラーウット・インタナサック / 和島美緒

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