ArayZ No.76 2018年4月発行知的財産 最新情報(前編)
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カテゴリー: ビジネス・経済
公開日 2018.04.20
海外投資を背景に成長してきたタイですが、ここ数年間に目を向けると大洪水や政治的内部対立、軍事クーデターなどの影響もあり経済の成長力は鈍化傾向にありました。しかし、2016年の実質GDP成長率は+3・2%と直近の数年間では最高の伸び率となりました。2017年についてもタイ経済成長率の見通しは+3・0%~4・0%になると見られ、この傾向は今後も続くと予想されます。
今回取り上げる資源セクターは、石油やガス等の資源を製造、販売をしているセクターです。各企業の業績は、世界経済のエネルギー資源に対する需給や地政学的要因によって変動するため、世界経済の状況を知る一つのポイントになると考えられます。そこで、今回は資源セクターの「エネルギー&ユーティリティー」分野にフォーカスします。
資源セクターのエネルギー&ユーティリティーの分野は、2016年度の前半まで原油価格の低下に伴って売上が減少傾向にありましたが、2016年度後半から2017年度にかけて原油価格が回復した結果、売上が上昇した企業がほとんどとなりました。この分野の特徴として、企業の業績が原油価格等の資源の価格変動に大きく影響を受けることがあげられます。また、それら資源の価格変動の要因には、
①各国の経済状況の変化に伴うエネルギー需要の変動
②OPEC(石油輸出国機構)に代表される産油国の供給の変動
③各地域の紛争やテロなどの地政学的リスク
④シェールガスなどの代替エネルギーや再生エネルギーの台頭
等があげられます。そのため、ほとんどの企業では、デリバティブ取引によって原油等の資源の価格変動リスクをヘッジする対策をしています。
各企業に焦点を当てると、石油燃料の将来的な不足懸念から、代替エネルギーやバイオマス等の再生エネルギーへの投資を積極的に行ったり、エネルギー消費管理技術を向上させるためにR&Dへの投資に力を入れたり、エネルギー分野とは別の業界の事業に投資している傾向があります。例えば、バンプー社は、次の数十年のエネルギー供給を考えて、2016年度からアメリカのシェールガス事業への投資を開始しています。また、バンチャーク社は、バイオディーゼルやバイオエタノールなどのバイオプロダクトビジネスへの継続的な投資を行い、拡大させる戦略を取っています。
PTT社は、連結全体の売上からするとわずかですが、タイ国内最大のコーヒーチェーン、アマゾンカフェの経営も行っており、ガソリンスタンドと併設するなど本業のエネルギービジネスとシナジーのある展開をしています。
今回は、資源セクターのエネルギー&ユーティリティー分野に絞って市場のメインプレーヤーとその規模感や状況についてご紹介しています。資源セクターの業績は、原油価格の変動等マクロ経済的な要因によって大きく影響を受けるため、タイ国内の経済だけでなく、世界経済の動向を見るポイントの一つになると考えられるので、今後も定期的にウォッチする必要があるでしょう。
※ランキングは、SETに上場している企業のセクター別売上額を基準にしています。
※本資料は情報提供を唯一の目的としており、予測・分析の妥当性などは独自でご判断ください。
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THAIBIZ編集部
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