カテゴリー: 組織・人事
公開日 2020.03.05
先日、お問い合わせをいただき、工場診断を致しました。この工場では、小物の成型や塗装などをしており、数百名規模の従業員がいます。
トップの方が自ら工場を案内してくださったのですが、度々「従業員がルールを守らなくて…」とつぶやきます。
最初は私も原因に確信が持てませんでした。しかし、診断が終わって見えてきたことが2つあります。
まず、倉庫や現場も含めて、表示がほとんどないということです。表示がない、つまり従うべきルールそのものが見えるようになっていないのです。これではルールがあっても、実質ルールがないのと同じことになります。
そしてもう一つ強く感じたことは、「キーマン」もしくは「トップの右腕」の不在。そして、これによる現場運営、教育の不足です。
こういったケースでは、トップや上層部の方は工場を良く知っており、カイゼンも大得意で非常に優秀ということが多いです。もちろん、その診断先のトップも優秀な方です。
しかし問題があります。
それはトップの方、つまり上層部にいる優秀な方ほど、現場カイゼンや現場の指導などを行う時間がない、ということです。トップの方の主な仕事は工場の管理や運営ですから当然です。
もちろん、やろうと思えばできますが、ただでさえ足りない時間の中で工場のカイゼンをするのですから、当然時間はかかります。
要は自分の代わりに現場のカイゼンや指導を行う、推進する人物を作らないといけないのです。それが「キーマン」であり「自分の右腕」というわけです。
皆様の会社には、「キーマン」や「自分の右腕」と呼べる人物がいらっしゃいますか?
もしいないのであれば、作らなければいけません。そうしないと、工場のカイゼンが進まず、却ってどんどんジリ貧の工場になってしまいます。
ぜひ、従業員の教育にも力を入れてみてください。結果的にそれが実を結ぶはずです。
ちなみに今回訪問した工場は現在、当研究会で指導をしています。メンバーがどんどん知識を吸収しているので、今後がとても楽しみな工場です。
当研究会では1日現場診断、出張現場カイゼン塾など、さまざまな従業員教育用のトレーニングを開催しております。お申し込み、お問い合わせは[email protected]までご連絡ください。
一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会
現場カイゼン診断士 門脇 圭
タイ、中国、マレーシア等在外合計26年、1,600社超の生産・物流現場のカイゼン処方箋を提供。カイゼン事例多数。2003年に生産、物流現場カイゼン研究会(a-Sol上海)を設立し、その後、香港、東京に拠点を拡大する。13年には一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会を設立し理事長に就任。15年にa-Sol Thailandを設立。その後、タイCPグループのPanyapiwat Institute of Management大学にて現場カイゼンに関する講義を実施など活動を広げ、現在は芝浦工業大学の特別講師も就任。
当研究会は「現場」で様々な問題を抱えている皆さんに「現場カイゼンシステム」を使っての問題解決や、トヨタ生産方式(TPS)を活用するカイゼニストとの「現場カイゼン活動」を通じて問題を解決することが仕事です。
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THAIBIZ編集部
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