ホンダ二輪、EV普及なお先 新社長、充電網と電池性能が鍵

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ホンダ二輪、EV普及なお先 新社長、充電網と電池性能が鍵

公開日 2026.09.04

NNA掲載:2026年8月6日

ホンダの二輪生産・販売子会社タイ・ホンダは4日、タイでの二輪車の電動化について、「まだ本格普及の段階にはない」との認識を示した。充電インフラの不足や航続距離の短さが課題となっており、車両開発と環境整備を並行して進めながら需要を見極める。一方、2026年上半期(1~6月)の同社の二輪車販売は前年同期比2%成長したとして、通年の販売目標を140万~143万台に引き上げた。

上半期の見通しについて話すタイ・ホンダの浜松正之社長=4日、バンコク(NNA撮影)

新たに就任した浜松正之社長は会見で、「電動車は当面、本格的な普及には至らない」との考えを明らかにした。二輪車に搭載できるバッテリー容量が限られているため、航続距離が内燃機関車(ICEV)に及ばないこと、充電設備などのインフラ整備が十分でないことが主な理由だ。

タイ運輸省陸運局の発表では、26年上半期の電動バイクの登録台数は前年同期比22.9%増の1万4,154台。二輪車全体からみた割合は1.5%にとどまっている。

浜松氏によると、電気自動車(EV)はホンダが50年のカーボンニュートラル実現に向けて取り組む手段の1つに位置付けられる。脱炭素に向けてはEVのほか、フレックス燃料やアルコール燃料の活用、ICEVの環境性能向上なども組み合わせる複合的な戦略で進める方針だ。

ハイブリッド車(HV)も手段の1つに位置付けるものの、過去に投入した高級スクーター「PCX」のハイブリッドタイプが市場に受け入れられなかったことから、現時点ではEVを優先しているという。

今年2月に発売された一般向け初の電動二輪車「ホンダ UC3」の販売台数は6月までで約1,000台。26年中に4,000台の販売を目標とする。UC3はベトナムでも生産を開始するが、タイでの生産は続ける。浜松氏は、「電動車を求める顧客が増えればそこに生産ラインを造っていく」として、市場の需要に応じて投資を判断する考えを示した。

一方で、電動車が普及するための環境整備は進めていく。タイ・ホンダが運営する充電設備は現在、16県49ステーションで100基展開している。今後も設備は拡大し、27年までにタイ全国への展開を目指すという。

販売目標は上方修正

タイ・ホンダは同日、26年上半期の二輪車販売が前年同期比2%成長したと発表した。通年の販売台数予測は140万~143万台とし、今年1月発表の136万~140万台から引き上げた。タイの二輪車市場全体は上半期に4%の成長を見せたとして、通年の販売見通しは173万~177万台とした。

お披露目された新型スクーター「クリック160」=4日、バンコク(NNA撮影)

下半期(7~12月)には、食品・飲料・日用品などの購入金額の6割を補助する生活支援策「タイ・チュアイ・タイ・プラス(60/40)」などタイ政府の景気刺激策による購買力の向上に期待が持てるものの、経済環境は依然として不安定な状況にあるとした。一方、景気低迷を背景に、四輪車より購入・維持費の低い二輪車へ需要が流れる可能性があるとも指摘した。

中東情勢など海外要因による原材料価格の上昇には警戒感を示し、引き続き状況を注視する姿勢を示した。浜松氏は、紛争の長期化が事業に与える影響は見通せないとしながらも、「製品価格を引き上げないための努力をしていく」と言及。値上げは顧客に負担をかけるばかりでなく、販売にも影響するとして、価格維持を重視する方針を強調した。

新車は4車種投入

下半期に向けては、新型バイク4車種を投入する。主力の排気量160ccクラスでは、スクーター「クリック160」と「PCX160」を刷新し、同市場での販売強化を図る。

クリック160の排気量は157ccで、エンジンには4バルブ機構を採用して高出力化した「eSP+」を搭載。前輪アンチロック・ブレーキ・システム(ABS)や前後ディスクブレーキ、USBタイプCの充電ポートなどを備える。希望小売価格は6万9,900バーツ(約33万円)。

PCX160も同じく157ccのeSP+エンジンを搭載。前輪と後輪の位置関係を検出して、ウイリーを検知しバランスを制御するホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール(HSTC)を採用した。希望小売価格は標準仕様が9万6,000バーツ、スマートフォンとバイクをつなげることでナビシステムなどを使用できる「ホンダ・ロードシンク」搭載車が9万9,900バーツ。

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