携帯端末の携帯品申告(旅客申告)が義務化へ

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携帯端末の携帯品申告(旅客申告)が義務化へ

公開日 2026.09.03

2026年7月14日、ミャンマー運輸・通信省は、海外から持ち込まれる携帯端末の管理を強化する新たな措置を発表した。ヤンゴン、ネピドー、マンダレーの国際空港から入国する旅客がミャンマー国内で未登録の携帯端末を持ち込む場合、「携帯品申告書(Passenger Declaration Form:PDフォーム)」の提出が必要となる。

イメージ画像:Magnific

はじめに

今回の措置は、同省の中央機器識別登録(Central Equipment Identity Register:CEIR)およびEquipment Identity Register(EIR)システムプロジェクト運営委員会が発表したものである。各旅客は、最初のPDフォーム提出日から1年以内に最大2台まで携帯端末を登録できる。

本制度は、外国から持ち込まれるスマートフォン等の携帯端末を適切に把握・管理し、密輸品や盗難端末の流通防止、適正な課税につなげることを目的としている。ミャンマーでは近年、CEIRの導入を通じて国内で利用される携帯端末の管理を強化しており、今回の措置もその一環として位置付けられる。

CEIRとは

CEIRは、携帯電話端末を国際移動体装置識別番号(International Mobile Equipment Identity:IMEI)によって管理するシステムである。IMEIは各携帯端末に固有に付与される識別番号である。

CEIRシステムでは、このIMEI情報を利用して、国内で利用が認められた端末とそうでない端末を区別する。盗難品や密輸品など正規ルートで流通していない端末については、将来的に通信サービスの利用が制限される可能性があり、制度の運用が強化されるにつれて、CEIRへの登録の有無は携帯端末を利用する上で重要な意味を持つことになる。

もっとも、ミャンマー国内で正規販売店から購入された端末については、通常、輸入事業者等によりCEIR登録が行われているため、一般消費者が追加の登録手続を行う必要はない。今回の制度は、主として海外から携帯端末を持ち込む旅客を対象とするものである。

新たに義務付けられる手続

今回の発表によれば、ミャンマーの国際空港から入国する旅客がCEIRに登録されていない携帯端末を持ち込む場合には、以下の手続を行う必要がある。

①まず、空港到着後、税関検査カウンターでPDフォームを受け取り、必要事項を記入し提出しなければならない。

②PDフォームには、携帯端末ごとのIMEI番号を記載する必要がある。IMEI番号は、通常、端末の設定画面で確認できるほか、「*#06#」をダイヤルすることでも表示できる。デュアルSIM対応端末ではIMEI番号が2つ存在する場合もあるため、事前に確認しておくことが望ましい。

③その後、CEIRワンストップサービス(OSS)で正式なCEIR登録を申請する。申請時には、以下の書類の提出が必要とされている。

・CEIR登録申請書
・パスポートのコピー
・搭乗券(原本およびコピー)
・航空券(原本およびコピー)
・PDフォームの原本

④これらの書類を提出した上で、持ち込んだ携帯端末の登録審査を受ける。

納税義務

CEIR登録に際しては、登録手続のみならず、携帯端末の課税価格に基づいて算定される各種税金を支払う必要がある。具体的には、PDフォーム提出日から30日以内に、以下の税金等を納付しなければならないとされている。

・関税(Customs Duty:CD)5%
・商業税(Commercial Tax:CT)5%
・Border Advance Income Tax(AIT)2%
・必要に応じて没収免除罰金(Redemption Fine)

日本企業への影響

今回の制度は、ミャンマーに出張する日本企業の役職員や現地赴任者にも影響を及ぼす可能性がある。

例えば、日本から持参した業務用スマートフォンや会社貸与端末についても、CEIR未登録であれば本制度の対象となる可能性がある。特に、現地SIMカードを利用して継続的に通信を行う予定がある場合には、登録の要否を事前に確認しておくことが重要である。

また、企業が海外本社から複数の業務端末を社員に持たせる運用を採用している場合には、「1年間で2台まで」という登録上限との関係についても留意する必要がある。赴任者本人だけでなく、帯同家族が携帯端末を持ち込む場合も含め、社内で運用方針を整理しておくことが望ましい。

さらに、企業が現地法人向けにスマートフォンを国外から持ち込む場合には、旅客による持込みではなく、通常の輸入手続が必要となる可能性もある。個人の携帯品としての持込みと、企業による輸入との違いを十分に理解しておくことが重要である。

TNY国際法律事務所 (ミャンマー)
代表弁護士

堤 雄史 氏

会社設立、合弁契約書および雇用契約書などの各種契約書の作成、M&A、紛争解決、商標登記等のミャンマー法に関するサービスを提供している。世界13ヶ国に展開するTNY国際法律事務所グループの共同代表。

TNY国際法律事務所

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