THAIBIZ No.153 2024年9月発行ヒットメーカーが語る!タイの外食産業必勝法
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カテゴリー: ASEAN・中国・インド, 会計・法務
連載: ONE ASIA LAWYERS - ASIAビジネス法務
公開日 2024.09.10
ミャンマーにおいて、全国最低賃金委員会(The National Committee for Setting the Minimum Wage)は2024年8月9日に通達となるNotification No.1/2024(以下「本通達」という)を公表し、企業が法定最低賃金に上乗せして支払わなければならない特別手当を1日当たり1,000チャットから2,000チャットに引き上げたと発表した。
法定最低賃金は日額(8時間労働)4,800チャット(時給600チャット)で据え置かれており、法定最低賃金に特別手当を加算した支給額は日額6,800チャットとなった。総支給金額が増加したため、実質的な最低賃金の増額といえる。
現行の法定最低賃金4,800チャット(日額)は、場所や職種に関係なく全ての労働者を対象に2018年5月に3,600チャットから引き上げられていた。
法定最低賃金は最低賃金法に基づいて2年ごとに最低賃金額を変更することができる制度になっているが、本通達では法定最低賃金自体に変更はなく、4,800チャットとして2018年から据え置かれている。他方、2023年10月から支給を義務化した特別手当1,000チャットを本通達により2,000チャットに増額している。
その結果、2024年8月1日より、法定最低賃金4,800チャットと特別手当2,000チャットの合計6,800チャットを受け取る権利が与えられることとなった。なお、従業員数が10人未満の零細企業や家族経営の企業などは、特別手当の支給義務が免除されている。
特別手当は、公務員向けにも付与されている。2024年7月26日には、公務員向けに2023年10月から月3万チャットを基本給に上乗せして支給してきた特別手当を6万チャットに増額していた。定年退職した職員にも毎月3万チャットを支払う旨、併せて公表されている。
本通達による特別手当の増額により、2018年から据え置かれていた最低賃金が、1年間に2度、実質的に増額されたと言える。マーケットでのチャットの価値は2021年2月1日のクーデター前から5分の1未満まで下がっており、今後も引き続き下落するおそれがある。
法定最低賃金が6年前から据え置かれているにも関わらず、チャットが下落しており、このことは実質賃金の低下を意味している。また、チャットの下落に伴い、ガソリン価格をはじめとする物価上昇は著しく、生活に困窮した公務員や市民の不満を抑えるため特別手当を増額したものと推測される。
通貨安、輸入規制など事業活動に困難な状況が続いているが、今後の動向に注意が必要となる。
THAIBIZ No.153 2024年9月発行ヒットメーカーが語る!タイの外食産業必勝法
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One Asia Lawyers パートナー弁護士 (日本法)
ミャンマー拠点代表
佐野 和樹 氏
2013年よりタイで、主に進出支援・登記申請代行・リーガルサポート等を行うM&A Advisory Co., Ltd.で3年間勤務。2016年よりOne Asia Lawyers設立時に参画し、ミャンマー事務所・マレーシア事務所にて執務を行う。2019年にミャンマー人と結婚。現在はミャンマーに居住し、アジア法務全般のアドバイスを提供している。
One Asia Lawyers
One Asia Lawyers Groupは、東南アジア・インドの法律に関するアドバイスを、アジア各国のネットワークを基礎として、シームレスに、ワン・ストップで提供するために設立された法律事務所です。
Website : https://oneasia.legal/office/thailand
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