連載: 日系スタートアップ
公開日 2023.01.24
昨年11月16日に開催されたスタートアップイベント「ロック・タイランド#4」で、ピッチイベントに登壇した日本のスタートアップ企業紹介の第5回は、日本での市場シェア1位のAI-OCR企業で、自社開発の人工知能(AI)技術による高い文字認識精度を強みとする「AI inside(エーアイ・インサイド)」だ。同社の谷槙太郎執行役員のプレゼンテーションを紹介する。
当社は日本No.1のAI-OCR企業です。OCRというのは、紙帳票に記載された活字や手書きのアナログデータをデジタルデータに変換する技術です。私たちのプロダクトの「DX Suite」の特徴は活字や手書きの文字認識に自社開発のAI技術を使っているという点です。AI技術を活用することで、手作業でのデータ入力作業の時間を大きく削減することができます。
これまで100社以上のタイ企業と商談をしてきて、分かったことは日本とタイはビジネスにおいて紙文書を重要視する文化が共通しているということです。それによってデータ入力作業が大量に発生していることも共通しています。
日本では既に2000社を超える企業にプロダクトを提供し、業務時間削減とデジタルトランスフォーメーションに貢献してきました。これからはタイ企業のデジタルトランスフォーメーションに貢献していきたいと考えています。
DX Suiteは紙文書をスキャンして画像データ化し、アップロードするだけで簡単にデジタルデータへ変換することができます。デジタルデータ化したデータはERPや会計システムのようなデータベースに保管することで、活用できるようになります。
ロボティック・RPAを活用すれば、紙文書のアップロードやデータベースへのデータ連携を自動化することも可能です。そうなると人間が行う作業は、AI-OCRで読み取ったデータのチェック作業のみ。これによって劇的な業務削減が見込めます。
では、どれくらいの業務削減を実現しているのでしょうか。多くのAIプロダクトがまだ、PoC(Proof of Concept:概念実証)段階にある中で、当社のAIは既に明確な実績を残しています。日本のトップ企業で既に80%以上削減した実績が多数あります。
当社のDX Suiteは日本のAI-OCR市場において、64%のシェアを占めています。日本のトップ企業を中心に、2000社以上のユーザーでの利用実績があり、100を超えるパートナーへの販売実績もあります。
DX Suiteの強みは次の3つです。
(1)高い文字認識精度。活字だけでなく、タイ語の手書き文字もしっかり読み取れます。
(2)UI(ユーザーインターフェイス)がシンプルであること。誰でもその日から直感的に使えるインターフェイスになっています。
(3)セキュリティが高いこと。日本ではセキュリティに厳しい金融機関、政府、地方自治体での活用事例もたくさんあります。
DX Suiteでは複数行、解像度が低い文字、文字が一部切れてしまっているような特殊な文字に対しても、学習を重ねたことによって、読めるようになっています。
タイでは、通信会社、保険会社、銀行、製造業など多くのお客様と既にプロジェクトを開始しています。従来のAI-OCRでは対応できなかった、フォーマットが異なる請求書などの受発注書類や、タイ語の手書き書類を読み取りたいというニーズにお応えしています。
私たちは皆様の会社でデジタルトランスフォーメンションを実現するビジネスパートナーです。ありがとうございました。
TJRI編集部
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