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公開日 2026.10.30 Sponsored
日本では「電力会社」として知られる東京電力だが、タイで売っているのは電気ではなく、「省エネ」だ。2019年に設立されたTEPCO Energy Partner International (Thailand) は、日系工場を中心に、省エネ・省コスト・省CO2を支援している。設備を売る前に、まず工場全体を見て、どこに無駄があり、何から手を付けるべきかを考える。日本で培った知見を、タイの製造現場でどう生かしているのか。その取り組みを追った。
東京電力グループで電力小売やエネルギーサービスを担う東京電力エナジーパートナー。そのタイ法人が、TEPCO Energy Partner International (Thailand)(以下、TEPIT)だ。
日本では電力会社のイメージが強い東京電力だが、実は省エネ支援にも長く取り組んできた。2000年代初頭に電力自由化が進んで以降、電気を販売するだけでなく、省エネや省コストにつながる提案を磨いてきた。工場向けにも、空調や熱源、コンプレッサーなど、さまざまな設備のエネルギー利用を改善してきた実績がある。
その知見を海外の日系企業にも提供しようと、進出先に選んだのがタイだった。背景には、「海外工場では日本ほど省エネが進んでいない」という顧客の声があったという。「タイでは、日本で培ってきた省エネという付加価値の部分を事業として展開している」と青木美貴社長は話す。
現在の事業は、①工場の省エネコンサルティング、②太陽光や省エネ設備などのオンサイト事業、③再生可能エネルギー電力証書の販売の3本柱。これら3つのサービスを組み合わせ、企業のエネルギー課題を一体で支援する。

TEPITがまず行うのは、工場のエネルギーの使われ方を「見える化」することだ。「省エネ・CNポテンシャル診断」では、図面や主要設備、操業状況を確認した上で、約1週間にわたりエネルギーの使われ方を計測する。なかでも注目するのが、夜間や休日など、工場が動いていない時間だ。
「昼間は明るくて星が見えないが、夜になると見える。工場も同じで、生産中は必要なエネルギーに隠れてロスが見えにくい」とチーフエンジニアの和泉尚氏。実際、TEPITの診断では、エアコンプレッサから供給される圧縮空気や、ボイラーから供給される蒸気は、漏れや放熱などによって、どちらも30〜50%は工場内で有効に使われず無駄になっているケースが確認されている※。
※TEPITが診断を実施した顧客の実績に基づく


(左)「エアリーク診断」で判明した、圧縮空気の漏れが工場全体の電力に及ぼす影響(圧縮空気の30〜50%が漏れなどでロスした場合)
(右)「蒸気ロス診断」により、ボイラーで蒸気をつくるために投入されたエネルギーのうち、約50%相当が配管からの放熱や蒸気漏れなので有効利用されていないことがわかった事例
出所:TEPIT
こうしたロスを見つける上で、TEPITが重視するのが「工場全体を見る」という視点だ。特定の設備だけに着目するのではなく、コンプレッサーやボイラー、空調などを横断し、工場全体のエネルギーの流れから改善の優先順位を考える。
さらに、そこに欠かせないのが現場を知るエンジニアの経験だ。和泉氏は2001年の東京電力入社以来、自動車、電機・電子、食品・医薬など幅広い業種の工場の省エネに携わってきた。「何を製造している工場かを聞けば、どんな設備をどう使っているか、ある程度想像できる」。計測データだけでなく、現場で培った経験も重ねながら、省エネの余地を探していく。
ロスが見つかったからといって、すぐに設備投資が必要になるわけではない。TEPITでは改善策を次の3ステップで考えていく。まずは、今ある設備の使い方を変えるところからだ。
例えば、自動車部品工場の塗装ブース空調では、熱源の設定を変更した結果、電力と液化石油ガス(LPG)の使用量が減り、年間約78万バーツ(約365万円)のコスト削減につながった。設備を入れ替えなくても、設定を見直すだけで効果が出るケースはある。
例えば、エアリークや蒸気ロスなどの修繕だ。ある工場では、診断で見つかった80ヵ所のエアリークのうち、漏れ量の多い20ヵ所を修繕した結果、コンプレッサーの消費電力を23%削減。別の工場では、蒸気配管の漏れや断熱材の剥がれを修繕し、LPG使用量を12%削減した。
より大きな省エネ効果を目指す場合は、空調省エネ制御やヒートリカバリーなどの設備導入も検討する。TEPITでは費用対効果を重視し、投資回収3年以内を一つの目安に提案している。また、初期費用は抑えたい企業には、空調制御やエネルギーの見える化、省エネ支援を月額で利用できる初期投資不要の「TEPCOエネルギーサービス」も用意する。
大きな投資をする前に、できることは意外と多い。まず小さな改善から始め、効果を見ながら次の対策へ進められるのがTEPITの省エネ支援だ。
タイでは近年、カーボンニュートラルへの対応が企業にとって現実的な経営課題になりつつある。TEPITにも、「太陽光は導入したが、その先どうCO2を減らせばいいのか」といった相談が増えているという。
そこで青木社長が強調するのが、「まず使うエネルギーそのものを減らす。省エネが1丁目1番地」という考え方だ。まず省エネでエネルギー使用量を減らし、次に太陽光などの再生可能エネルギーを活用。それでも対応しきれない部分には、I-RECなどの再生可能エネルギー電力証書を組み合わせる。TEPITでは、企業ごとの状況に合わせて、こうした手段を組み合わせて支援している。
タイ現地の工場では、省エネや脱炭素の必要性を感じていても、日々の生産対応が優先されがちだ。「工場にとって、本業はものづくりだ。日本人駐在員も減るなか、省エネまで手が回らない企業も少なくない」と、東京電力エナジーパートナーの海外事業推進グループマネジャーを務める明石氏は話す。だからこそTEPITは、何から始めればいいのかを一緒に整理し、継続的な省エネを支えるパートナーを目指している。
今後は、まずタイの日系製造業で実績を重ね、その知見をタイ企業や他業種にも広げていく考えだ。日本で培った省エネの知見を、タイの工場へ。TEPITの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

青木 美貴 氏
TEPCO Energy Partner International (Thailand) Co., Ltd.
社長
タイ法人の事業を統括。日系製造業を中心とした事業基盤の強化と、将来的なタイ企業・他業種への展開を担う。
和泉 尚 氏
TEPCO Energy Partner International (Thailand) Co., Ltd.
ゼネラルマネジャー兼チーフエンジニア
2001年東京電力入社。2022年よりタイ駐在。日系製造業を中心に、省エネ・カーボンニュートラルに関する技術提案やコンサルティングを担当する。2026年8月より泰日工業大学(TNI)の客員講師(GX教育・産学連携担当)を務める。
明石 真和 氏
東京電力エナジーパートナー株式会社
海外事業推進グループマネジャー
2008年東京電力入社。2026月7月より東京電力エナジーパ-トナーの海外事業の推進および日本側からTEPITのサポートを担当する。

TEPCO Energy Partner International (Thailand) Co., Ltd.
東京電力エナジーパートナー初の海外現地法人として、2019年にタイで設立。日本で培ったエネルギーに関する技術・知見を生かし、タイの日系製造業を中心に、省エネコンサルティング、設備導入、再生可能エネルギー電力証書の販売などを展開している。
Website:www.tepco.co.jp/ep/corporate/overseas.html(海外事業概要ページ)
E-Mail:[email protected]
TEL:02-258-6054(担当:和泉)※日本語のみ対応

東京電力エナジーパートナー株式会社
東京電力グループで、電力小売・エネルギーサービス事業を担う。電力・ガスの販売に加え、再生可能エネルギーやエネルギーサービスを提供している。
Website:www.tepco.co.jp/ep/

THAIBIZ編集部
和島美緒

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