
カテゴリー: 会計・法務
連載: 知らなきゃ損する!タイビジネス法務 - GVA / TNY法律事務所
公開日 2024.09.10
前回に続き今回は、雇用契約書に記載すべき事項として勤務内容、勤務日、勤務時間、勤務場所、給料額や手当等、会社の規則等、退職・解雇の定めについて説明する。
勤務内容については、従業員が対応する業務内容をできるだけ広めに抽象的な形で記載をしておくことをお勧めする。あまり詳細・具体的に記載してしまうと、それ以外の業務は自分の業務でないと理解される可能性があるためである。さらに、本来の業務内容に加え、会社が指示するその他の業務も業務内容に含まれることも、念のため記載しておくことが望ましい。
勤務日および勤務時間も記載が必要と考える。勤務時間はタイでも原則1日8時間を超えてはならないとされている。さらに1週間の勤務時間合計は48時間を超えてはならないとされ(労働者保護法、以下同じ。23条1項)、1週間に1日以上の休日を与えることが原則である(28条1項)。
また休憩時間についても記載しておくべきである。休憩時間として会社は従業員に対し、原則として1日の就業時間中に少なくとも1時間以上の休憩時間を与える必要があり、勤務開始時から5時間以内に与える必要がある。
1日の休憩時間は少なくとも1時間以上とされているものの、1回の休憩時間を1時間未満として従業員と合意することは可能である。その場合でも1日の休憩時間合計は1時間以上とする必要がある(27条1項)。
休憩時間について従業員に有利となる場合、もしくは業務の性質と形態により連続して労働する必要がある場合や緊急の業務に関しては、これらと異なる定めが可能である(27条5項)。
その他に、遅刻した場合の給与の取扱いについて定めがある場合、従業員に理解してもらうためにも、記載しておくべきである。また、勤務場所について、仮に2つ以上の場所での勤務が予定されているような場合、その旨も記載すべきである。
給料額は従業員にとっても重要な点であり、明確に記載しておくべきである。その他、会社が福利厚生として毎月固定で支給する手当等がある場合には、その旨を記載しておくのも明確で良いと考える。なお、給料が1ヵ月以下の期間で計算される場合、毎月1回以上、給料を支給する必要がある(70条1項(1))。
会社が従業員に必ず守らせたい規則については、雇用契約書にも記載し、明確にしておくべきである。特に、会社で就業規則がまだ定められていない場合には、最低限懲戒処分の対象となる行為などは規律として記載したうえ、懲戒処分の内容も記載しておくことが望ましい。
会社で就業規則を定めている場合も、従業員によく理解してもらえるように退職時の事前の通知時期や手続などは雇用契約書にも記載しておくべきであろう。
さらに会社が従業員を解雇する場合について、上述の通り懲戒処分を記載する部分にて、併せて記載しておくべきである。

TNY国際法律事務所
日本国弁護士
藤原 杯花 氏
2017年1月よりタイのTNY国際法律事務所にて執務。TNY国際法律事務所は、日本人弁護士2名が共同代表を務める法律事務所であり、会社設立から規制調査、契約書のリーガルチェック、商標登録申請、相続手続きなどのサービスを提供している。
TNY国際法律事務所
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